糖尿病とは?
糖尿病は、インスリン(血糖を下げるホルモン)が十分に働かず、血糖値が高い状態が続く病気です。
診断は血糖値やHbA1c(過去1〜2か月間の血糖コントロールの指標)で行います。
日本では「糖尿病が強く疑われる人」や「糖尿病の可能性を否定できない人」を合わせて、約2,000万人と推計され、非常に身近な病気です。
糖尿病がもたらすリスク
血糖値が高い状態を放置すると、全身の血管に負担がかかり、以下のような合併症を起こします。
- 三大合併症:網膜症(目の病気)、腎症(腎臓の病気)、神経障害(手足のしびれなど)
- 血管障害:脳梗塞、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患
- その他のリスク:がん、感染症、歯周病、骨折、認知症、筋力低下
これらが重なると生活の質(QOL)が大きく下がり、場合によっては寿命に影響を及ぼすこともあります。
糖尿病治療の目標
糖尿病治療の最大の目的は、合併症を防ぎ、健康な人と同じ生活の質と寿命を目指すことです。
- 発症初期からの良好なコントロールが重要です。
- HbA1cの目標値は年齢・合併症・薬の種類などを考慮して個別に設定します。
- 低血糖を避けつつ、できるだけ血糖を正常に近づけることが大切です。
HbA1cとは?
HbA1c(ヘモグロビンA1c)は、血液中のヘモグロビンに糖が結合した割合を示す数値です。
過去1〜2か月の平均的な血糖状態を把握できるため、糖尿病の診断や治療経過の指標として用いられています。
血糖を下げるための方法
食事療法
- 減量:内臓脂肪を減らすとインスリンの効きが改善します。
- 炭水化物の調整:主治医と相談のうえで無理なく制限しましょう。
- 低GI食品の活用:玄米、全粒粉パン、りんごなどを取り入れましょう。
運動療法
- 有酸素運動を週150分程度(軽く息があがるくらいの運動、ウォーキングや水泳など)
- 筋肉を動かすことで血糖が下がりやすくなります。
薬物療法
- 食事・運動だけで不十分な場合は、内服薬や注射薬を使用します。
- 最近は心血管疾患や腎臓病の合併予防に効果のある薬が増えてきています。
他に注意すべきこと
- 突然の胸の痛み・手足のしびれ・ろれつ障害などがあれば、心臓や脳の病気が疑われるためすぐに受診しましょう。
- 眼科・歯科での定期的なチェックは重要です(網膜症や歯周病の予防)。
- 重度の糖尿病では足の傷が治りにくくなることがあります。早めに皮膚科を受診しましょう。
- 妊娠を希望する方は母子の健康のために事前の血糖コントロールが重要です。
当院でできること
当院では、家庭での血糖測定や健診結果を確認しながら、生活習慣の改善や薬の調整をサポートしています。
また、循環器専門医として、糖尿病と関わりの深い高血圧・不整脈・心不全・狭心症などの心臓病リスクも併せて管理します。
総合内科専門医として、感染症から生活習慣病、急性期〜慢性期まで幅広く対応できることも強みです。
まとめ
糖尿病は「早期発見・早期治療」が大切です。
健診で「血糖値が高い」と言われた方は、ぜひ一度ご相談ください。
- 総合内科専門医・循環器専門医による診療
- 糖尿病と関係の深い心疾患のリスク管理も可能
- 津山市二宮に立地、駐車場完備
- 中国自動車道院庄インターから車で5分、国道53号線すぐ
地域の皆さまの健康を守るパートナーとして、丁寧な診療を行っています。
日本老年医学会、日本糖尿病学会 編・著 高齢者糖尿病診療ガイドライン2023 南江堂 2023

関連する病気
当院では持続血糖測定器(フリースタイルリブレ2)による診療も行っております。詳細はリンク先をご覧ください。
よくある質問
Q1. 糖尿病は完治する病気ですか?
A: 現時点では完治は難しいとされていますが、血糖値を良好にコントロールすることで合併症を防ぎ、健康な生活を送ることは十分に可能です。初期の段階であれば、完治とまではいえませんが、生活習慣コントロールすることで投薬は不要ですむこともあります。
Q2. 糖尿病と診断されたらすぐにインスリンが必要ですか?
A: 初期の糖尿病では食事・運動療法や内服薬で管理可能なことが多く、すぐにインスリンを使うとは限りません。糖尿病が進行しご自身の体内で分泌されるインスリンのみでは血糖のコントロールが困難となればインスリンの注射を開始します。血液検査などでインスリン注射の必要性を判断していきます。
Q3. 甘いものを一切食べてはいけないのですか?
A: 基本的には控えるほうが病気のコントロールとしてはよいですが、治療は長期にわたりますので個々人で継続可能な生活習慣を見つけることも重要かと考えます。現在の生活習慣と糖尿病の病勢をみて外来で医師と適宜相談していくことが重要と考えます。
