●帯状疱疹って?
帯状疱疹は、体内に潜んでいる水ぼうそう(水痘)ウイルスが活発になり、痛みや水ぶくれを引き起こす病気です。
実は、20歳以上の方の約95%は、すでに水ぼうそうウイルスに感染したことがあり、体内にウイルスが潜んでいるとされています。年齢を重ねると、疲れやストレスで免疫力が低下しやすくなり、帯状疱疹を発症するリスクが高まります。一般成人の20~30%が生涯のうちに発症するとされており身近な病気です。

●どんな症状が出るの?
主な症状はピリピリとした痛みと水ぶくれです。痛みが先で数日後に水ぶくれが出てくることもあります。このウイルスは神経に潜んでいるので神経に沿って症状が現れます。神経は左右で分かれているので通常は片側にだけ症状が出ます。
水ぶくれは7日から10日ほどで治まることが多いですが、痛みは2週間ほど続きます。2週間以上痛みが続く場合があり、「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれます。高齢の方ではこのリスクが高まります。
また、発症する神経によっては注意が必要です。意識がもうろうとしたり、けいれんを起こす場合、目や耳の周りに症状が出た場合は、すぐに専門医の診察を受けましょう。

●治療方法について
治療には抗ウイルス薬が使われます。早く使うことで症状を和らげるだけでなく、帯状疱疹後神経痛を防ぐことにもつながります。水ぶくれが出てから 72時間以内 に使うのが望ましいとされています。

「もしかして帯状疱疹かも?」と思ったら、なるべく早めに病院を受診しましょう。また、薬の処方には腎臓の状態などが関係するため、過去の血液検査の結果があれば持参するとよいでしょう。

●気をつけること
ほかの人にうつる可能性は低いですが、水ぶくれがかさぶたになるまでは、ガーゼなどで覆い、触れないようにしましょう。
まだ水ぼうそうにかかったことがない方で水ぼうそうワクチンを受けていない方が触れると、水ぼうそうを発症することがあります。この場合、3日~5日以内にワクチンを接種することで、水ぼうそうの発症を防げる可能性があります。妊婦さんや赤ちゃん、免疫が弱っている方(がん治療中の方、HIVの方など)には感染を広げないよう注意しましょう。

●予防とワクチンについて
帯状疱疹を予防するワクチンには、

  • 弱毒化水痘生ワクチン
  • 組換え帯状疱疹ワクチン

の2種類があります。どちらも高齢の方での帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の予防に役立ちます。特に 組換え帯状疱疹ワクチン は2回の接種が必要ですが、10年後も70%の予防効果が続く とされています。帯状疱疹を予防したい方は、ぜひワクチン接種をご検討ください。

●最後に
最近では、特に高齢の方で帯状疱疹の患者さんが増えてきています。神経痛が残ると 日常生活にも影響が出る ため、予防接種を受けることが大切です。また、もし発症してしまった場合は できるだけ早めに治療を始めることが重要 です。気になる症状があれば、遠慮なくご相談ください。