睡眠時無呼吸症候群って?
「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は、睡眠中に呼吸が止まる病気です。SASは成人の約5~10%に見られ、中年以降で特に増加します。以下のような疾患のリスクとなるとされています。

  • 脳血管疾患(脳梗塞や脳出血)
  • 大動脈疾患(大動脈瘤や大動脈解離)
  • 心房細動
  • 高血圧や糖尿病

どのような方が特に注意が必要?
1. 症状などから無呼吸が疑われる方

  • いびきや睡眠中の無呼吸を指摘されたことがある方
  • 肥満傾向(BMI25以上)の方、特に首回りが太い方
  • 家族にSASの方がいる場合
  • 日中の強い眠気や集中力の低下を感じる方

2. 無呼吸が関連する疾患をお持ちの方

  • 高血圧や糖尿病を指摘された方
  • 脳卒中の既往がある方
  • 心不全、不整脈、狭心症などの心臓病をお持ちの方
  • 大動脈瘤や大動脈解離のリスクがある方

3. 職業への影響が懸念される方

  • 長距離運転や夜勤が多い方(眠気による事故のリスク)

どうやって評価する?
当院では検査会社に依頼し、ご自宅で行える「簡易検査」を行っています。睡眠中の呼吸状態や血中酸素濃度を測定し、SASの有無をスクリーニングできます。簡易検査のみでは評価困難な場合は精密検査を専門病院に依頼します。

治療法について

  • 生活習慣の改善:適正体重の維持、禁煙など
  • CPAP療法:睡眠中の気道を確保するマスク
  • 口腔内装置(マウスピース):軽症例やCPAPを継続できない場合に検討します

最後に
はじめは「いびき」のみで特に日常生活に支障はないようにみえることもありますが、放置することで脳卒中や不整脈、大動脈解離などの重篤な病気の原因となることがあります。疑わしいときは積極的に検査を行っていきましょう。

参考           日本循環器学会.2023年改訂版循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン.

睡眠時無呼吸症候群