高コレステロール血症・脂質異常症とは?
脂質異常症とは、血液中の「コレステロール」や「中性脂肪(トリグリセライド)」の値が基準から外れている状態を指します。
主に以下の3つがあります。
- LDLコレステロール(悪玉)が高い。
- HDLコレステロール(善玉)が低い。
- 中性脂肪が高い。
これらの異常は放置すると動脈硬化(血管が硬く狭くなる病気)を進め、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。
原因には、遺伝・食生活・運動不足・肥満などが関わっています。
コレステロールと中性脂肪の役割
- コレステロール:細胞やホルモンの材料となる体に必要な物質です。
- LDLコレステロール:全身にコレステロールを運ぶ役割。多すぎると血管に蓄積し動脈硬化を起こします。
- HDLコレステロール:余分なコレステロールを肝臓に戻し、動脈硬化を防ぎます。
- 中性脂肪:エネルギー源となる一方で、多すぎるとLDLの質が悪化し、HDLを減少させ動脈硬化を促進します。
脂質異常症の治療目標
脂質を適切にコントロールすることで心筋梗塞や脳梗塞の予防できます。
目標値の目安は以下の通りです。
- HDLコレステロール:40mg/dL以上
- 中性脂肪:150mg/dL未満
- LDLコレステロール
冠動脈疾患や脳梗塞がない場合:100~160mg/dL未満
冠動脈疾患や脳梗塞がある場合:70~100mg/dL未満
コレステロールや中性脂肪を下げるには?
食事療法
- 適正カロリーを守りましょう。
- 動物性脂肪や加工食品を控えましょう。
- 魚や大豆製品を積極的に摂取しましょう。
運動療法
- 週3回以上、軽く息が上がる程度の有酸素運動を30分以上行いましょう。
禁煙
- 喫煙はHDLコレステロールを下げ、動脈硬化を進めるため禁煙が推奨されます。
薬物療法
すでに心筋梗塞や脳梗塞を経験した方は、生活改善に加えて早期に薬物治療を検討します。
家族性高コレステロール血症とは?
遺伝的にLDLコレステロールが高くなる病気で、動脈硬化が早く進行します。
若いころからコレステロール値が高いと指摘されている方やご家族が30~50歳代など若くして心筋梗塞などを起こされた方は早めの受診と治療が重要です。
受診の目安
- 健康診断でコレステロールや中性脂肪の異常を指摘された。
- 家族に心筋梗塞や脳梗塞の既往がある。
- 糖尿病や高血圧などの生活習慣病を合併している。
➡ このような場合は内科に相談しましょう。
当院でできること
当院では、健診結果や生活習慣を確認しながら、食事・運動療法のアドバイスと薬の調整を行っています。
また、循環器専門医として、脂質異常症が関わる狭心症・心不全・不整脈などの心疾患にも対応可能です。
総合内科専門医として、感染症から生活習慣病、急性期〜慢性期まで幅広い診療を行っています。
まとめ
脂質異常症は自覚症状がほとんどありませんが、放置すると心筋梗塞や脳梗塞のリスクとなります。
健診で異常を指摘された方や生活習慣に不安のある方は、早めにご相談ください。
- 総合内科専門医・循環器専門医による診療
- 心疾患や生活習慣病を含めた総合的な管理が可能
- 津山市二宮に立地、駐車場完備
- 中国自動車道院庄インターから車で5分、国道53号線すぐ
地域の皆さまの健康を守るために、丁寧な診療を心がけています。
参考 日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド 2023年版

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よくある質問
Q1. 脂質異常症とはどんな状態を指すのですか?
A: 血液中のコレステロールや中性脂肪が基準値より高い、またはHDL(善玉)コレステロールが低い状態を脂質異常症と呼びます。いずれも動脈硬化との関連が報告されており、特にLDL(悪玉)コレステロールと狭心症・心筋梗塞は関連が強く、しっかりとコントロールすることが重要です。
Q2. 食事に気をつけていれば薬は不要ですか?
A: 治療の目標値は性別、年齢やこれまでの病気で異なってきます。そのため軽度でリスクの低い方あれば食事療法や運動で改善可能ですが、動脈硬化のリスクが高い場合は薬物治療が必要なことが多いです。生活習慣のほかに遺伝など体質の影響もありますので、必要であれば薬を内服しましょう。
Q3. 痩せていても脂質異常症になることはありますか?
A: はい。体型に関係なく遺伝的な要因などで脂質異常症になることがあります。そのほかの生活習慣病をお持ちで脂質異常症のリスクの高いかたは定期的に血液検査を確認しましょう。また特にご病気のない方も健診を受けて定期的にチェックしましょう。
