このページではインフルエンザや新型コロナウイルス感染症をはじめとしたウイルス性の気道感染症、いわゆる「風邪」についてまとめています。
急性上気道炎(風邪)
急性上気道炎は鼻・喉の急な炎症で、原因の多くはウイルスです。以下のような症状がでます。
- 鼻:鼻水、鼻づまり、くしゃみ
- のど:飲み込み時を中心としたのどの痛み
- 気道:咳、痰
どこか1か所だけではなく、のど周りの広い範囲(上気道)に症状がでるのが特徴です。多くは軽い発熱やだるさを伴い数日でピークとなり、通常は1週間前後で自然に改善します。細菌感染には抗菌薬が使用されますが、一部をのぞきウイルスに“特効薬”はないため、症状を和らげる対症療法が基本です。
細菌感染や合併症を疑うサイン
以下のようなときは肺炎・溶連菌咽頭炎などの細菌感染、喘息発作・肺気腫増悪などを示唆します。早めに受診してください。
- 高熱が続く/ぶり返す:38℃以上が3~4日以上続く、いったん解熱後に再び発熱する。
- 鼻、のど、気道のいずれかだけに強い症状がある:膿性の鼻水だけある、のどだけひどく痛い、膿性の痰と息切れがあるなど。
- 寝汗が続く:体が消耗している可能性があります。
薬を使わない対症療法
風邪のつらい症状には薬を用いることがあります。ただ一方でどんな薬にも副作用はありますので、薬以外で症状を緩和させることも重要です。
咳
- はちみつ:就寝前に小さじ1を舐める/温かい飲み物に溶かす(※1歳未満は不可、糖尿病の方は量に注意)。
- 温かい飲み物:白湯・しょうが湯・スープは喉を潤し咳を和らげます。
- 加湿:室内50–60%を目安に。加湿器は毎日清掃をしましょう。
- 姿勢:夜間は枕を高めにして後鼻漏(鼻水がのどに絡まること)を減らせます。
のどの痛み
- 塩水うがい:ぬるま湯200mLに食塩0.5–1g程度まぜて行いましょう。
- はちみつレモン/冷たいもの:刺激の少ない温度がよいです。
- 声を休める:長話・大声は炎症を悪化させます。
鼻水・鼻づまり
- 生理食塩水スプレー/鼻洗浄:清潔な生理食塩水で行いましょう。慣れるまでは市販のスプレーもよいです。
- 蒸気・温湿布:鼻根部・頬をやけどに注意して温めましょう。
- 環境調整:換気・掃除をする。就寝時は枕を高めにしましょう。
だるさ・全身症状
- 休養と睡眠:発症後2–3日は無理せず、体を休めましょう。
- 水分と栄養:経口補水液(OS-1など)・スープ・ゼリー飲料などを少量ずつ、頻回に摂取しましょう。
- 体を冷やさない:空調で適温に設定し、着替えで快適に過ごしましょう。
総合感冒薬の注意点
総合感冒薬、いわゆる風邪薬は様々な成分が配合されており、風邪の諸症状をとるのに便利です。ただ必要以上の成分を摂取してしまう可能性があり注意が必要です。
以下に総合感冒薬使用時の一般的な注意点をまとめます。
成分の重複に注意
解熱鎮痛薬(特にアセトアミノフェン)を含む薬を複数同時に使うと、過量となり肝障害などにつながります。必ず成分表示を確認しましょう。
眠気やふらつきに注意
鼻水をおさえる成分(第一世代抗ヒスタミン:d-クロルフェニラミンなど)を含む薬では眠気・集中力低下が起こります。車の運転や高齢者の転倒リスクに注意し、就寝前の使用が望ましいです。
1種類で様々な症状を改善させれる総合感冒薬はとても便利です。注意点をおさえながらうまく利用しましょう。
ウイルス抗原検査について
インフルエンザや新型コロナウイルス感染症については抗原検査で判定ができます。ただ検査のタイミングが早いと評価しきれない可能性があります。
- インフルエンザ:発症から12時間~48時間がおすすです。12時間以内ではインフルエンザにかかっていても陽性になりづらいとの報告があります。
- 新型コロナウイルス感染症:24時間後~5日以内がおすすめです。
早めの検査にも抗ウイルス薬を早期に開始できるというメリットはありますが、陰性であった場合の対応は状況に応じて考える必要があります。
出席停止・感染期間のめやす
成人の方の社会活動については明確な制限はないことが多いです。以下はかぜ、または類似する疾患の学校保健法における出席停止期間です。感染対策の参考としてください。
| インフルエンザ | 発症後5日かつ解熱後2日(幼児は3日)が経過するまで。 |
| 新型コロナウイルス感染症 | 発症後5日かつ症状軽快後24時間まで。感染性は7~10日ほどあるとされています。 |
| 百日咳 | 抗菌薬を5日間投与する、または特有の咳が消失するまで。 |
| 溶連菌感染症 | 明確な規定はありません。抗生物質開始24時間以上かつ状態がよいことが目安です。 |
| マイコプラズマ肺炎 | 明確な規定はありません。解熱・強い咳の改善が目安です。咳が出ている間はマスクをつけましょう。 |
※いずれも一般的目安。学校・職場の基準や医師の指示を優先してください。
感染対策について
- 手洗い
- うがい
- 換気
基本となるのは手洗い、うがい、換気となります。手洗い、うがいは外出後や食事前、風邪の方の看病をされたあとなどに行いましょう。
それに加えていわゆる「3つの密」が重要となります。どこまで厳格に行うかはそれぞれの状況に応じてとなります。コロナ渦の極期のような対応は現実的ではないかと思いますが、近くに「ご高齢の方」、「基礎疾患を複数お持ちの方」がいる場合は厳しめに対応してもよいかと思います。
- 密閉:換気をしましょう。
- 密集:人ごみは避けましょう。
- 密接:人とは距離をとるようにしましょう。咳がある場合はマスクを装着しましょう。
まとめ
当院では発熱者用の診察室を用意し、診療を行っております。インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症・溶連菌感染症・マイコプラズマ肺炎・百日咳などの検査にも対応しております。皆さまの症状を丁寧にうかがい、症状軽減のために薬を調整していきます。
- 総合内科専門医・循環器専門医による診療
- ウイルス感染からの心疾患や呼吸器疾患の悪化も評価します
- 津山市二宮に立地、駐車場完備
- 中国自動車道院庄インターから車で5分、国道53号線すぐ
