高尿酸血症とは?

高尿酸血症とは、血液中の尿酸の濃度が 7.0mg/dL以上 になる状態のことです。尿酸は、食事や体内の細胞が分解されることで生じる「プリン体」から作られます。通常、尿や便として体外に排出されますが、尿酸が作られすぎるあるいは排出が不十分になると体内に溜まり、高尿酸血症になります。高尿酸血症をそのままにしておくと、尿酸が結晶化して関節にたまり、「痛風発作」と呼ばれる激しい関節の痛みを引き起こします。さらに、尿酸は腎臓や血管にも影響を与え、 腎機能の低下高血圧・動脈硬化・心不全 などの病気を悪化させることがあります。近年、食生活の欧米化や生活習慣の変化により、高尿酸血症の人が増えています。現在、日本では約1,000万人が高尿酸血症と推定されており、身近な健康問題となっています。

高尿酸血症に注意が必要な方
次のような方は、高尿酸血症になりやすいので注意が必要です。
 肉や魚をよく食べる、お酒(特にビール)をよく飲む
 ・ 肥満気味(BMI 25以上)である
 ・ 家族に痛風や尿路結石の人がいる
 ・ 高血圧・糖尿病・腎臓病などの持病がある

高尿酸血症の治療
高尿酸血症の治療は 生活習慣の改善薬による治療 の2つの方法があります。

生活習慣の改善
 ・ 控えたい食品  プリン体を多く含むもの(レバー、魚卵、肉類、お酒(特にビール))
 ・ 積極的に摂りたい食品  野菜、大豆製品、乳製品(尿酸値を下げる効果が期待できます)
 ・ 水分補給を意識する  1日2L以上の水分を摂ることで、尿路結石の予防に有用です。
 ・ 適度な運動をする  ウォーキングや軽いジョギングなどの 有酸素運動 がよいとされています。

薬による治療
食事や生活習慣の改善だけでは尿酸値が下がらない場合、尿酸を下げるお薬 を使用することがあります。

 ・痛風を経験したことがある方は、尿酸値を6.0mg/dL未満にすることが推奨されます。
 ・痛風を起こしたことがない方でも、腎機能が低下している場合や尿路結石がある場合は、尿酸値8.0mg/dL未満を目指すのが望ましい とされています。

まとめ
痛風を経験したことがある方や腎機能が低下している方は、尿酸値をしっかり管理することが大切です。高尿酸血症も腎機能低下も自覚症状がないことも多いため、健康診断でチェックすることが重要です。 健診の機会があれば、ぜひ積極的に受け、異常があれば早めに対処しましょう。

参考  日本痛風・核酸代謝学会 ガイドライン改定委員会編集:「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版」 診断と治療社
:「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版[2022年追補版]」 診断と治療社