アレルギー性鼻炎・花粉症とは?
アレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜がアレルギー反応を起こし、くしゃみ・鼻水・鼻づまりが繰り返し出る病気です。
- 1年中症状が続く「通年性」:主な原因はダニやハウスダスト
- 特定の季節に悪化する「季節性」:主な原因は花粉(特にスギ・ヒノキ)
どちらも日常生活に支障をきたすことがあり、適切な対策と治療が必要です。
花粉症はなぜ増えている?
近年、アレルギー性鼻炎は増加傾向にあります。
- スギ花粉の飛散量が増えている
- 住宅の気密性が上がり、ダニが繁殖しやすくなっている
2019年の調査では、10〜59歳の約45%がスギ花粉症、約30%が通年性アレルギー性鼻炎を持っていると報告されており、とても一般的な病気です。
診断について
- 症状が出るタイミング(季節や環境)
- 鼻の粘膜の状態の観察
- 鼻水や血液の検査
これらを組み合わせて診断します。血液検査ではアレルギーの原因(アレルゲン)を特定でき、舌下免疫療法(アレルゲンを少しずつ体に慣らす治療)を行う際に重要な情報となります。
治療と対策
アレルゲンとの接触を避ける
- 飛散情報をチェック、花粉の多い日は外干しを避ける
- 布団やシーツをこまめに洗濯・乾燥、掃除機で丁寧に清掃
- 帰宅後は衣服や髪の花粉を払い落とす
- マスクや眼鏡の活用
- エアコンのフィルター掃除
- 除湿機や空気清浄機の活用
薬物治療
- 抗ヒスタミン薬(飲み薬)
- 点鼻薬(ステロイド点鼻薬など)
特に花粉症は症状が出る前から治療を始めることで、ピーク時の症状を和らげることができます。
舌下免疫療法
アレルゲンを少量ずつ体に慣れさせ、根本的な体質改善をめざす治療です。数年間継続が必要ですが、薬に頼らずコントロールできる可能性があります。ただし治療に伴いアレルギー反応を起こすリスクもあるため、特に開始時は医療機関での監視のもとで行います。
受診の目安
- 鼻水・鼻づまりが続き、睡眠の質が落ちている
- 市販薬を使っても症状が改善しない
- 子どもの学業や大人の仕事に集中できないほど症状が強い
こうした場合は早めに医療機関での治療を検討してください。
当院でできること
当院では、家庭での症状の経過を伺いながら、生活習慣や環境改善のアドバイスと薬の調整を行います。
必要に応じて血液検査で原因を確認し、舌下免疫療法もご相談いただけます。
まとめ
アレルギー性鼻炎・花粉症は「よくある病気」ですが、放置すると生活の質の低下させたり、睡眠障害の原因となることもあります。
- 総合内科専門医・循環器専門医による幅広い診療
- 感染症から生活習慣病、心疾患まで対応可能
- 津山市二宮に立地、駐車場完備、中国自動車道院庄インターから車で5分、国道53号線を降りてすぐ
地域の皆さまの健康を支えるパートナーとして、丁寧な診療を心がけています。
参考 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会、鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会編:
「鼻アレルギー診療ガイドライン -通年性鼻炎と花粉症- 2024年版 改定第10版」 金原出版株式会社
よくある質問
Q1. 花粉症は治る病気ですか?
A: 完全に治すのは難しいですが、内服薬や点鼻薬、点眼薬、舌下免疫療法を組み合わせることで症状を抑えることが可能です。舌下免疫療法では完治が期待できることもあります。
Q2. 花粉症の症状を軽くするために日常生活でできることはありますか?
A: 花粉の飛散が多い日は外出を控える、マスクやメガネで防御する、帰宅時に衣服を払って花粉を持ち込まないなどが有効です。また空気清浄機の使用もおすすめです。
Q3. 花粉症の症状が出る前から薬を飲んだ方がいいですか?
A: はい。花粉が飛び始める前から予防的に内服を開始することで、症状のピークを抑えることが期待できます。舌下免疫療法については花粉の飛散時期を避けて始める必要があります。
