「期外収縮」は日常的に見られる不整脈の一種です。初めて耳にする方も多いかもしれませんが、健康診断で指摘されることがあります。「心臓、心臓病について」を事前にご覧いただくと、さらに分かりやすいです。
●期外収縮とは?
心臓は、「洞結節」という部分から送られる電気信号によって規則正しく動いています。洞結節以外の場所から電気信号が発生して心臓が収縮することを「期外収縮」と呼び、これには以下の2種類があります:
- 上室(心房)期外収縮:心房で発生
- 心室期外収縮:心室で発生
●健康に影響はあるの?
期外収縮は健康な人でも見られることがあり、多くの場合は問題ありません。ただし、注意が必要な場合もあります
- 背景に心臓病がある
- 「心室期外収縮」が頻回に出ている
- 「心室期外収縮」が3拍以上連続して発生する
症状がある場合はもちろん、心電図検査で偶然異常が見つかった場合も、一度医師に相談してください。
●診断・評価の方法
期外収縮は心電図検査で診断できます。症状などに応じて、以下の検査を行うことがあります:
- ホルター心電図(24時間心電図):期外収縮の頻度、自覚症状と不整脈の関係を評価
- 運動負荷心電図検査:運動中による不整脈の変化を評価
- 心臓超音波検査など:心臓機能の評価、心臓病が背景にないか評価
●治療について
期外収縮の治療が必要かどうかは状況によります。以下の場合は薬やカテーテルでの治療が検討されます:
- 動悸や不快感などの症状がある
- ホルター心電図で「心室期外収縮」が頻回に出ている、3拍以上連続して出ている
- 心臓の機能に影響がある場合
背景に心臓病がある場合はその治療も必要です。日常生活では、カフェインやアルコールを控え、睡眠時無呼吸症候群などないか注意します。症状が軽い場合は、経過観察のみでよいこともあります。
●最後に
期外収縮はよく見られる不整脈で、健康診断などで指摘されることがあります。症状がない場合でも、心臓病が隠れている可能性もあるため、一度医療機関で確認しましょう。
参考 日本循環器学会/日本不整脈心電学会.2020年改訂版不整脈薬物治療ガイドライン.
日本循環器学会/日本不整脈心電学会.2022年改訂版不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン.
