入浴のリスクについて
入浴は日本人にとって生活の一部であり、心身のリラックス効果も期待できます。
一方で、高齢者や心臓病・生活習慣病をお持ちの方にとっては体に大きな負担となる場合があります。
心筋梗塞を経験された方のリハビリでは、入浴はプログラムの最終段階に組み込まれるほど体への影響が大きいのです。
ニュースでも取り上げられる「ヒートショック(急激な温度差による血圧変動)」は特に注意が必要です。ここでは安全に入浴するためのポイントをまとめます。
入浴が体に与える影響
熱めのお湯(41℃以上)
- 血圧と脈拍が上昇しやすく、心臓への負担が大きい。
- 酸素飽和度(血中の酸素の割合)が低下しやすい。
ぬるめのお湯(38℃程度)
- 血圧が安定しやすい。
- 心臓や呼吸への負担が少なく、安全に入浴しやすい。
半身浴と全身浴
- 浴槽で肩まで浸かると胸が圧迫され、肺活量が減少します。
- 肺疾患のある方では酸素不足に陥る可能性があります。
対策
➡ 高齢者や心臓や肺に基礎疾患を持つ方は、ぬるめのお湯に半身浴がおすすめです。
室温管理も重要
冬場や寒い浴室ではヒートショックが起こりやすくなります。
- 室温は27℃前後を目安にしましょう。
- 脱衣所や浴室を暖めてから入浴しましょう。
- 急激な温度差を避けることで、血圧の変動を緩やかにできます。
安全に入浴するためのチェックポイント
- 家族が近くにいる環境で、体調が悪い時は無理をしない。
- 湯温は38〜40℃程度が望ましい。
- 入浴時間は10分以内を目安にする。
- 入浴前後に十分な水分補給を行う。
- 入浴直後の立ち上がりはゆっくりと行う。
まとめ
入浴は健康に良い習慣ですが、高齢者や持病をお持ちの方は血圧変動やヒートショックのリスクに注意が必要です。
ぬるめのお湯・短時間の入浴・室温管理を心がけ、安心して入浴を楽しみましょう。
- 総合内科専門医・循環器専門医による診療
- 高齢者の生活習慣指導から心疾患管理まで幅広く対応
- 津山市二宮に立地、駐車場完備
- 中国自動車道院庄インターから車で5分、国道53号線すぐ
地域の皆さまの健康を守るため、丁寧な診療を心がけています。
