今日も元気で(337)      2026年1月

縄文時代の“おしえる”

明けましておめでとうございます。今年は令和8年、西暦2026年ですが、それよりずっと昔、1万5000年前から4500年前ごろの縄文時代の話です。

日本で、1万年以上続いた時代は縄文時代だけです。

縄文時代は、自然の恵みが豊富で、必要な分の食物だけ取ればよく、貧富の差もなく、大きな争いもなかったようです。病気やケガをした人を看病していた形跡もあり、みんなで支えあって暮らしをしていたと思われています。(武藤康弘;奈良女子大学文学部教授)

今回は、そんな穏やかの縄文時代の子どもたちの様子を、「日本の子ども史」(森山茂樹・中江和江著:平凡社)から紹介いたします。

縄文時代では、乳幼児の3人に2人かそれ以上の子どもが亡くなったとされています。

また、死亡年齢を男女別に比較してみると、女性では10代後半から20代にかけての年齢層に死亡者が多く、男性の場合は30代以降が多かったようです。女性にとっては、出産は命がけの仕事だったということです。

子どもの手形・足形のついた土版や、子どものおもちゃの様な鈴が発見されています。子供たちを大切に思う親の気持ちがこめられています。

何事もなくお産すること、何事もなく育っていくことが困難であった時代です。そして、自然の恵みに依存して生きていた縄文人にとって、生きるための漁撈や動物の捕獲に、新たな仲間を得ることは大きな喜びであったにちがいありません。

そして、家庭を営むにあたって、子どもの養育の場所としての家族はどうだったのでしょうか。

縄文時代の竪穴住居内の炉の存在や食糧の貯蔵状況から、家族がいっしょに食事をしていたようです。

そして“おしえる”という言葉は、もともと人間がいっしょに食事をする、というところから生まれたようです。食事をともにしながら、親子で一日の出来事やその日の食材、あるいは礼儀作法などについて話していた。それが“おしえる”ということであったようです。食事をともにすることは、親子、家族の一体感、結びつきを強めたのでしょう。

現在、子どもが一人で食事をする孤食が問題となっています。“孤食が多いと良好な心の健康状態を保てない”とする研究は多くあります。また、一緒に食べていても、スマホが話し相手では孤食です。

人類にとって、1万5000年たっても、家族がいっしょに食事をすることは、大事な子どもの健やかな成長にとって重要であることは変わっていません。