インフルエンザとは
インフルエンザは、例年冬に流行する急性のウイルス感染症です。38℃以上の高熱、倦怠感、関節痛、咳や喉の痛みなどの症状が急速に現れ、重症化すると肺炎や脳症など命に関わる合併症を起こすこともあります。特に高齢者・乳幼児・心臓や呼吸器の持病がある方では、重症化のリスクが高く注意が必要です。
以下の方々はインフルエンザによる重症化リスクが高いとされています。
- 5歳未満(特に2歳未満)、65歳以上
 - 妊婦および産後2週間の女性
 - 慢性的な呼吸器疾患(喘息、COPDなど)のある方
 - 心疾患
 - 腎臓や肝臓の疾患
 - 糖尿病
 - 免疫抑制状態
 - 著しい肥満(BMI 40以上)
 
ワクチン接種の目的
インフルエンザワクチンは、「感染を完全に防ぐ」ことに加えて「重症化を防ぐ」ことができます。
- 発病予防効果:インフルエンザにかかるリスクを3~5割程度減らします。
65歳以上の高齢者施設入所者では、発病リスクが34~55%減少したという報告もあります。
小児では、発病予防の有効率が約60%と比較的高い効果が示されています。 - 重症化予防効果:ワクチン接種によって、インフルエンザによる死亡リスクを約80%低下させたとの報告があります。
高齢者や持病のある方だけでなく、乳幼児でも脳症や肺炎などの重い合併症を防ぐ可能性が示されています。 
つまり、ワクチンは「感染を防ぐ盾」であると同時に、「重症化を防ぐ命の備え」として大きな役割を果たしています。
効果の現れ方と持続期間
ワクチンの効果は接種後2週間ほどで現れ、約5か月間持続するとされています。
時間の経過とともに免疫は低下するため、毎年の接種が必要になります。
平年は11月下旬~12月にかけて流行シーズンに入り、流行のピークは1月末~2月上旬頃に迎えるのが一般的であり、そこにあわせて接種が検討されてきました。
ただ新型コロナの流行を経たここ数年は流行開始が早まる傾向があり、10月から11月の早めの接種も検討されます。
インフルエンザ治療薬について
タミフルなどの抗ウイルス薬があります。
発症から48時間以内に投与することで症状を約1日短縮することが期待できます。入院されている方を対象とした調査では死亡率の低下が確認されており、高齢の方や基礎疾患の多い方でより効果が高い可能性があります。また妊娠されている方、2歳未満の子供も重症化のリスクがあるため投与が推奨されます。
ただ治療薬があるとはいえども、やはり重症化予防に、感染予防もかねそなえたワクチン接種の重要性は大きいと考えられます。
まとめ
- インフルエンザワクチンは発病だけでなく重症化や死亡を大きく減らす効果があります。
 - 効果は接種後2週間で現れ、約5か月間持続します。
 - 近年は流行が早まる傾向にあるため、10月~11月中の接種も検討されます。
 - 毎年の接種で、ご自身とご家族を守りましょう。
 - 接種を希望される方はお気軽にお電話ください。
 
