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NO.324

熱性けいれんと解熱剤と予防薬(ダイアップ座薬)

2023年10月

 「熱性けいれん診療ガイドライン2023」から、解熱剤と予防薬であるダイアップ(ジアゼパム)座薬についてです。

1)熱性けいれんの再発予防に解熱剤を使用すべきか

 “熱が出たときに早めに解熱剤を使って熱性けいれんを予防する”とか“解熱剤の使用後に、再度の熱の上昇により熱性けいれんを起こすので解熱剤は使わないほうがいい”など、いろいろ意見がありますが、

ガイドラインでは、

「発熱時の解熱剤使用が熱性けいれんの再発を予防できるということはない。また、解熱剤使用後の熱の再上昇による熱性けいれんの再発はない」としています。そして「発熱による苦痛や不快感を軽減し、全身状態の改善を図るために、解熱剤をほかの発熱性疾患と同様に使ってよい」としています。

【結論】熱性けいれんの既往があっても、熱性けいれんの事は考えずに解熱剤を使用しましょうです。

2)再発予防ダイアップ座薬は必要か

 日本の子どもの10%前後が熱性けいれんを起こします。そして、熱性けいれんを起こした子どもの15〜30%が2回目の熱性けいれんを起こします。

 しかし、熱性けいれんを起こしたから、てんかん発作を起こしやすくなることはなく、熱性けいれんを繰り返しても、学習上の問題は起こさないとされています。熱性けいれんは、本来は、良性な疾患なのです。

 そうではありますが、目の前で熱性けいれんは起きてほしくないです。そこで熱性けいれん予防薬としてダイアップ座薬があります。予防効果はあるのですが、副反応もあります。

 副反応の主なものに、眠気とふらつきがあります。熱性けいれんの原因に脳炎や髄膜炎がありますから、眠気やふらつきがあると、脳炎で意識のレベルが下がっているのか、薬のせいで眠気があるのか判断しにくくなります。

ガイドラインでは、

「熱性けいれん=ダイアップ座薬でなく、前回のけいれんの様子によって使用する。」となっています。具体的には、複雑型熱性けいれんと言われるけいれんです。けいれんの持続時間が長かったり、1歳未満でのけいれん、体の一部だけのけいれん、38度未満でのけいれん、24時間以内に2回けいれんがあったなどを、複雑型熱性けいれんとします。

【結論】けいれんの様子をよく観察して、かかりつけ医の小児科医に、けいれん予防としてダイアップ座薬が必要か相談してください。

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