NO. 282 新型コロナウイルス感染症 U“正しくこわがる” 2020年3月 イエス・キリストは“見ないのに信じる人は、幸いである”とおっしゃいました。しかし、見えないものは、“こわい”ものです。感染症を起こす主な病原体は見えません。 人類の歴史は感染症との闘いといわれるほどに、感染症は人類に非常に大きな影響を与えてきました。 東大寺の大仏は、“天然痘”を抑えるために造立されました。また、インカ帝国の8万の軍隊は、スペインのピサロが率いる、わずか168人の軍に敗れたのは、感染症に対する恐怖からとされています。 昨年末から始まった、新型コロナウイルス感染症は、3月1日午前10時の時点で、世界で84468人が感染し、2913人が死亡しています。日本では、239人が感染し、5名が死亡しています。新型コロナウイルスで亡くなられた方の、ご冥福を深くお祈りしますとともに、インフルエンザでは、日本で毎年数千人の方が亡くなられている事実も忘れてはなりません。 新型コロナウイルスは、まさに新型、どのような相手であるか手探り状態ですが、少しずつ姿は分かってきているようです。少なくとも、同じコロナウイルスで恐れられている、SARS(致命率9.6%)や、MERS(致命率34.4%)よりはかなり軽症のようで、致命率は現在のところ2%前後であると思われます。 有効なワクチンがない状況では、終息するまでに、国民の半数は感染するのではと思います。重症化しないためにどうするかです。 先ずは、無理をしない、睡眠を十分にとる、規則正しく食事を摂るでしょうか。そして、持病のコントロールが悪い場合には重症化しますから、とくに、糖尿病・高血圧・慢性気管支炎や気管支喘息などの持病がある場合には、治療をサボらず、医師の指示にしっかり従ってください。 現在、岡山県では、新型コロナウイルス感染症の患者さんは出ていません。県は28日に、27日までに32人の検査を実施し、すべて陰性だったと報告しました(津山朝日)。トイレットペーパ不足の話題と、岡山県で発生しているのではとの噂がありますが、患者さんが出れば、必ず行政が発表しますから、心配しないで下さい。 政府は、3月2日から、全国の小中学校、高校、特別支援学校を臨時休校するように要請しました。前回の新型インフルエンザでは、日本の奇跡と言われる程に、各国に比べて死亡数は少なかったのです。見えない相手に混乱の状況でありますが、政府の方針に従い、静かに“正しくこわがる”ことだと思います。 |