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NO. 266

子育てで一番大切なこと

平成30年11月

 「子育てで一番大切なこと・・・愛着形成と発達障害・・」(講談社現代新書)

 を読みました。著者は杉山登志郎、児童精神科医で、子どもの心に関して、ご高名な先生です。対話形式として書かれていて、とても読みやすい本でした。
 架空の話として展開され、内容はかなり過激なところもありましたが、大学教授定年に当たり書かれ、杉山先生のこれまでの思いが伝わる本でした。

 特に「愛着形成」の重要性、そして、「愛着形成」不全による「第4の発達障害」について力説されていました。
 「子育ての“コツ”を教えて下さい。」とお願いする(架空の)記者に対して、「子育ての“コツ”など無い。」と突っぱねていた(架空の)先生が、最後にお母さんになることが判明した(架空の)記者に贈る言葉として書かれているのが下記の10箇条です。

 

 1.動物としての子どもの自然で健康な生活を守ろう。きちんと睡眠を取らせよう。

 2.子どもの好奇心を大切にしよう。

 3.子どもの脳を興奮させすぎないように気をつけよう。

 4.子どもが安心して育つことができるように、子どもを見守ろう。

 5.3歳までがとても大事なので、この時期は子ども中心の生活を大切にしよう。

 6.子どもの多様性、子どもの凹凸を受け入れよう。

 7.子どもに合った教育を選ぼう。

 8.子どもに無理をさせることを避けよう。

 9.子どもの迫害体験や挫折体験をできるだけ減らそう。

 10.社会全体で、子どもを育てていこう。

 

 ここで、「9.」に私の蛇足

 「9´.子どもの成功体験や達成体験をできるだけ増やそう。」です。

 どんな小さなことでもいいですから、「ヤッタ!!」「できた!!」体験を増やしてください。そうすれば、自己肯定感も増し、「今日は楽しかった。よし明日は」と、目を輝かせて次の課題へのチャレンジとなると思います。

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