NO. 261 日本脳炎ワクチンの早期接種について 平成30年6月 日本小児科学会は2016年に、予防接種・感染症情報として、次のような文章を出しました。 【 日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について 日本脳炎流行地域*に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域**に居住する小児に対しては、 生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種を開始することが推奨されます。】 日本脳炎ワクチンは定期接種の1期として接種可能な時期は生後6カ月〜90カ月です。しかし、標準的な定期接種の開始時期は3歳からとなっていますから、現在では、3歳まで待って日本脳炎ワクチンがされることがほとんどです。 ところが、2015年に、千葉県の生後11カ月の子供が日本脳炎ウイルスに感染しました。 そこで、日本小児科学会は、2016年に、生後6カ月から日本脳炎ワクチンを受けることを推奨する文章を出しました。 生後6カ月から日本脳炎のワクチンを受けても、効果や副反応に関しては、3歳から受けた時と同じとされています。 日本脳炎はブタから蚊を介して人に感染します。そこで、ブタが日本脳炎に感染しているかを調べるのが、ブタの日本脳炎抗体検査です。西日本のブタは一般的に抗体が高いとされています。西日本は日本脳炎に関しては比較的危険な地域です。 また、岡山県北でも、軽症の日本脳炎ウイルスによる髄膜炎がありました。 ブタの抗体保有率や、過去に日本脳炎の感染症が証明されていることなどを考えると、岡山県北部では早期に日本脳炎ワクチンを受けることが推奨されます。 蚊に刺される季節になりました。一度、母子手帳を見て、日本脳炎ワクチンの接種が出来ているかチェックして下さい。生後90カ月までに3回の接種が必要です。そして、生後6か月を超えていたら、日本脳炎ワクチンを考えてください。 |