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NO. 260

指でものをつかむことが出来たら

平成30年5月

 お母さん:「いつごろから、離乳食をはじめたらいいんですか。」

 私:「みんなが食べていて、欲しそうにしていたら、そろそろ、離乳食を考えてください。」と答えています。が、今一つ、はっきりしません。

 イギリスでは、生後6カ月以降で、安定して座ることができ、指でものをつかむことができるようになった頃から始める。「赤ちゃん主導の離乳」という方法だそうです。

 それでは、「離乳食を食べてくれない。」ですが、お母さん達の、よくある悩みです。

 ある本【外来小児科Vol.21 No.1】に、

 「子どもの空腹のサインをうまくキャッチし、子どもの食べる能力に合わせて(これがむつかしい)、食べるのを手伝ったり励ましたりするが、決して強制をしてはいけない(これもむつかしい)。」

 「空腹すぎて不機嫌なとき、母乳(人工乳でもいいと思いますが、多すぎないように)を先に飲ませるとスムーズに離乳食を受け入れることもある。」

 「いろいろな種類の食べ物を組み合わせたり、味や食感を工夫する。」

 「離乳食には味をつけてはいけないと考えていることもあるが、おいしく味を付けると食べ始めることもある。」

 「家族と一緒に食卓を囲んだり、家族の食事から取り分けて与えると食べるようになる児もいる。」

 「食べさせるといやがって食べないが、手づかみ食べをさせると食べる児も多い。」

 そして、離乳食開始まえの、母乳ですが、

 【WHOとUNICEF】は

 ・生後1時間以内に母乳栄養を開始する

 ・生後6カ月間は母乳だけで育てる

 ・生後6カ月になったら、栄養的に十分で安全な固形食を開始し、母乳育児は2歳かそれ以上まで継続する

 としています。

 2歳までは母乳を飲ませてあげていいのです。1歳過ぎたら断乳ではないのです。
しかし、母乳不足はどうしてもあります。生後3カ月までで、体重の増加が1日約20g以下の場合には母乳不足を考えて下さい。また、生後6カ月以降で母乳の場合、鉄分が不足傾向となります。離乳食で、動物のレバー、肉類、カツオ・マグロ・アサリなどの魚介類を与えてください。

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