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NO. 250

蕁麻疹(じんましん)

平成29年6月

 「おとといの夕方に、全身にこっぱんが出て、昨日の朝には消えていたのですが、また、夕方から出てきたのです。今も少し残っています。何か食べたものが悪いのでしょうか。アレルギーでしょうか。」

 最近、このような子どもが増えています。今回は、蕁麻疹についてです。

 蕁麻疹は、蚊に刺された時のように、少し盛り上がっています。直径数mmの小さな円形のものから、大きく地図状になって体じゅうに出ることもあります。

 個々の蕁麻疹は数時間で消失しますが、また別の所に出ることがあります。これが蕁麻疹の一つの特徴です。

 蕁麻疹と言えば「食物アレルギー」と思われるかもしれませんが、食物が原因である場合は10〜20%と言われています。食物アレルギーの場合には、食べたあと、遅くても2時間までに出ます。原因となる食物を食べなければ、一度消えた蕁麻疹が出ることは、まず、ありません。

 その他、物理性蕁麻疹(皮膚を引っ?いたり、寒さ暑さ、日光など)、コリン性蕁麻疹(運動や入浴、緊張や発汗が原因の比較的小さな蕁麻疹)などがありますが、最も多いのは特発性の蕁麻疹です。特に原因が無く毎日または毎日のように出るのを特発性と言います。子どもの場合には約60%が特発性です。

 特発性の場合には、夕方から夜間に出ることが多く、数日間続くこともあります。

 誘因としては、上気道炎や胃腸炎などの感染症、疲労やストレスなどが考えられますが、直接の原因が分からないので特発性としています。

 治療は、原因がはっきりしていれば、原因を除けばいいのですが、最も多くて、原因の分からない特発性の場合は主に飲み薬となります。

 特発性の蕁麻疹は出たり引っ込んだりしますから、蕁麻疹が出てないからと薬を止めるのは良くありません。繰り返しでる場合には1〜2週間は薬を続けます。

 蕁麻疹の原因は血液の検査ではなかなか分かりません。

 蕁麻疹の診断では、問診がもっとも重要です。最初に気が付いたのはいつ頃か、何かを食べた後か、運動の後か、お風呂の後でないか、風邪を引いていないか、お腹をこわした後ではないか、何日ぐらい続いているかなどです。

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