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NO. 243

『コンポーネント診断』と『プロバビリティーカーブ』

平成28年11月

何か、むつかしそうな言葉ですが(今回、中身もややこしくなりました)

『コンポーネント診断』は “もう少し、ましな成分検査による診断”
『プロバビリティカーブ』は  “ありそうなカーブ” でしょうか。

 食物アレルギーの診断には、主に

@問診(過去の症状を詳しく聞くこと)
A経口食物負荷試験(実際に、食物を摂取して症状が出るか検査すること)
B特異的IgE抗体検査(いわゆる、アレルギーの血液検査)があります。

 この中で、一番重要なのは@で、その次がAです。しかし、何が原因か分からないが、“ぶつぶつ”があるから血液検査をしてみると、それまで食べても大丈夫だった食物が陽性となることがあり、

 血液検査が陽性だけで、無駄な食物除去をしてきケースが沢山あります。食べても大丈夫な食物は、検査が陽性でも食べても“大丈夫”なのです。

これが、これまでの血液検査の限界でした。しかし、最近は“もう少し、ましな成分検査”が出来るようになりました。例えば、“卵白”には陽性だが、“卵白”の成分である“オボムコイド”には陰性というケースがあります。この場合は、十分に加熱された“卵白”は食べられることがあります。しかし、“卵白”・“オボムコイド”の両方ともに陽性でしたら、加熱された“卵白”でも症状の起こる可能性が高くなります。この“オボムコイド”が“卵白”の『コンポーネント』と言われます。

 “ありそうなカーブ”とは、血液検査の値から、どのくらい症状が“ありそうか”を予測するカーブです。

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