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NO. 234

ネット依存症

平成28年2月

 昨年4月に、「最近のお母さんは変わったか」(今日も元気で(224))で、親子間の愛着形成に「メディア」が悪い影響を与えているのではないかと書きました。私は、メデイアの負の側面として、親子間の「愛着形成への影響」、SNSを使っての「いじめ」と「犯罪」、そしてインターネットから離れられない「ネット依存症」があるかと思います。

 2002年に、韓国の光州で、86時間オンラインゲームを続けていた24歳の男性が、死亡した事件がありました。24時間営業のネットカフェで、タバコの購入とトイレの時以外はパソコンから離れることなくプレイを続け、エコノミー症候群による心不全で死亡しました。

 韓国でのインターネットの普及はアメリカや日本以上でありましたが、インターネットをめぐるさまざまな問題が生じていました。光州事件をきっかけに調査が行われ、自殺など10件以上の死亡事案が明らかになりました。その後、韓国政府は、ネット依存症に対する多くの施策を講じています。

 2012年、全国の中学生・高校生10万人に対して調査が行われ、約52万人がネット依存症とされました。中高生10人に一人弱の数です。1クラスに2〜3人となります。残念ながら、日本政府がなんらかの対策を考えているとの話は聞いたことがありません。

 「ネット依存」による心と身体への悪影響はさまざまなものがあります。

 「目が悪くなる」「運動不足による体力の低下」「頭痛」「肩こり」「吐き気」 「倦怠感」「栄養障害」「骨粗しょう症」「血液ドロドロ」「感情をコントロールできなくなる」「ネットをしていない時の意欲低下が著しい」「自己中心的な考えに傾く」「話がかみ合わない」「思考能力が低下する」「攻撃的になる」「寝不足でいつも居眠りをしている」「無感情、無感動になる」「いつもイライラしている」などです。

 さらに問題は、「ネット」との接触がどんどん低年齢化していることです。

 「ネット」に依存する子供たちは、「ネット」に「つながり」を求め、「ネット」に「自己達成感」を求めています。そして、「ネット」をむりやり取り上げることは出来ません。

 「ネット」に代わる、「つながり」と「自己達成感」を子供たちに与えてあげたいものです。それも、「ネット」に接触する前からです。(参考:「ネット依存症」樋口進著PHP新書)

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