松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ

NO. 230

津山市いじめ問題対策連絡協議会

平成27年10月

 津山市のいじめ対策の会議に出席してきました。

 「いじめ」のよる、悲しい事件があり、子供たちの健全な心身の成長及び人格形成を目的として、平成25年に「いじめ対策推進法」が成立・公布されました。この法律の下に設立されたのが「津山市いじめ問題対策連絡協議会」です。

 同法では、「いじめ」は「児童生徒が特定の児童生徒等を心理的又は物理的攻撃する行為であって、当該生徒等に心身の苦痛又は財産上の損失を与えるものと認められるものをいう。」とされました。また「心身の苦痛を与える行為には、通常苦痛を感じないが当該行為を受けた児童生徒等は苦痛を感じるものをその事実を知りながら行うことを含む。」とされています。

 これまでは、「いじめ」とは「自分より弱い者に対し一方的に、身体的、心理的な攻撃を持続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの。」となっていました。

 「いじめ」は、強い者と弱い者の関係で、強い者が弱い者に攻撃を加える事とされていましたが、現在では、通常苦痛を感じない行為でも相手が苦痛を感じたら「いじめ」となるのです。

 この様に、「いじめ」の範囲が広がったことにより、子供たちの社会性を育てることに支障が出るのではとの心配もあります。しかし、「いじめ」行為が小さな芽のうちに、気付いてやり、その芽を抜き取ってやらなくては、いじめを受ける子供にも、そして、いじめをしている子供にも不幸なこととなります。

 「いじめ」を克服して、子供たちが豊かな人間関係を築けるように支援していく必要があります。

 津山市の会議でも、「いじめ」の早期発見と早期対応が重要であるとされました。そして、「いじめ」を受けている子供が、その気持ちを「どこに」訴えたらいいのか、そして「いじめ」に気付いた大人が「どこに」連絡をしたらいいのかが、今後検討課題として挙げられました。

 「いじめ」と言えば、加害者・被害者の関係であり、第3者にとってはなるべく関わりたくない問題であります。しかし、子供たちの7割程度が、被害者や加害者になったことがあるとされています。程度の差はあるのでしょうが、かなりの頻度で、「いじめ」行為が子供たち間ではおきているのです。

 「いじめ」が多発する社会を作ったのは、大人たちであると思います。

 地域で、子供たち見守り、早期発見・早期対応に努め、大人たちが責任をもって「いじめ」を撲滅しましょう。

松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ