NO. 188 「一富士(いちふじ)、二鷹(にたか)、三茄子(さんなすび)」 平成24年1月 明けましておめでとうございます。いい初夢を見られたでしょうか。 「早寝早起き朝ごはん」運動が平成18年頃から実施されています。今回は子どもの睡眠のことを研究している、神山潤先生(東京ベイ浦安市医療センター)の文献を参考に、睡眠についてです。 人間の生態時計の周期は24時間よりも少し長くて、生態時計のままにしておくと、ドンドンと朝起きる時間が遅くなってきて、時差ぼけの状態になります。それを補正しているのが、朝に光を受けることだと言われています。逆に、夜に光を受けていると生態時計がさらに遅くなり、朝が起きれなくなります。まずは、朝に光をしっかり浴び、夜は遅くまで光を浴びないことです。 また、起床後14〜16時間して(朝7時に起きれば、夜の10時前後ですか)暗くなると脳からメラトニンというホルモンが分泌されます。このホルモンは、眠気をもたらし、体のリズム調整をし、体温低下作用があり、抗酸化作用があり、性的成熟抑制作用などがあるとされ、1〜5歳時に生涯で最も多量に分泌されるとされています。夜遅くまで光を受けるとメラトニンの分泌が悪くなります。特に抗酸化作用とは老化の予防と考えられます。 さらに、睡眠時間が少なくなると、太り、風邪を引きやすくなり、便秘になります。 レプチンというたんぱく質がりますが、睡眠時間が短いと減少します。レプチンは“摂食抑制”作用や、体の中の脂肪の燃焼を進める作用があり、睡眠不足でレプチンが減ると、食欲 が増し、脂肪がたまってきます。 睡眠時間が少ないと、インフルエンザワクチン接種後の抗体(抵抗力)の上昇が不良であったとの報告があります。寝不足では風邪を引きやすくなります。 次が便秘です。寝ている間に、自律神経の副交感神経が活動して、腸の動きが活発になるとされています。起きている間は、自律神経のもう一つである交感神経が主となり、腸の動きは抑えられています。寝不足になると便秘になるのです。 「子どもの生活リズム向上プロジェクト」としての、「早寝早起き朝ごはん」運動ですが、おとなの生活習慣病予防、老化の予防のためにも「早寝早起き朝ごはん」は重要なようです。子育てで忙しいでしょうが、「早寝早起き朝ごはん」で、“いいお顔”のお母さんを子どもに見せるのが一番の子育てと思います。 |