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NO. 187

2011年(平成23年・兎年)

平成23年12月

 今年も、あと1ヶ月となりました。兎(うさぎ)の年、ぴょんぴょんぴょんと、アットいう間の一年でした。

 この一年、小児科の領域では、何度も言いますが、予防接種が大きく変わりました。

 まず、一月からヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンが公費で接種できるようになりました。しかし、予防接種後の死亡例が発生して、実質的には一時中断となりましたが、死亡例とワクチンとの関係は否定され、約1ヶ月後には再開されました。現在では、2種類、3種類の同時接種も問題なくされています。生後2ヶ月になったら、なるべく早く、ポリオワクチンやBCGよりも先にヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンを考えてください。かかりつけの先生と相談してください。

 インフルエンザの予防接種も変わりました。摂取量の増量と、接種期間の変更がありました。特に摂取量に関しては、これまでの量が少なすぎたので増量されたということです。急に増えたので心配されるお母さんもいらっしゃいますが心配はありません。まだ、未接種の方は12月中には受けることをお勧めします。

 11月にロタウイルスに対するワクチンが出てきました。ロタウイルスは冬から春にかけて多くみられる、感染性胃腸炎(いわゆる嘔吐下痢症)の原因ウイルスです。乳幼児がかかると、発熱や嘔吐が激しくなり、外来での点滴や入院治療が必要となることがあります。ワクチンは生後6週から生後24週(6ヶ月)の乳児が対象で、経口の生ワクチンです。4週間以上の間隔をあけて2回飲みます。ワクチンは効果的であるようです。しかし、残念ですが自費での接種です。そして、接種料金は高くなっています。恐らく一回が12000円から15000円と思われます。なかなか受けるのが難しいワクチンです。「なぜ、ヒブワクチンからはじまって、最近のワクチンは高くなっているのか。」と製薬会社に文句を言ってもしかたありませんでした。

 そして、3月11日に東日本大震災がありました。テレビの画像を見ていると、現実の映像であることを、しばらくは理解できませんでした。死者・ 行方不明者あわせて2万人余り、未だに4000千人近くの方の行方が分からない状況です。被災者の方々に直接の援助はできませんが、テレビの映像を来年も再来年もその次の年もずっと忘れないこと、被災地の復興を心のなかで祈ること、機会があれば観光でもいいですから東北を訪問することが私にできることかなと思っています。

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