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NO. 186
受診時定額負担
平成23年11月
政府は、病院や診療所にかっかったときに、新たな負担を求める「受診時定額負担」の制度を導入しようとしています。
1)国民皆保険制度
日本では、全国民が医療保険に入っていますから、保険証があれば、“いつでも・どこでも・誰でも”医療を受けることが出来ます。日本に住んでいると当たり前のことですが、外国ではそうではない国がたくさんあります。特に、アメリカでは保険に入ってない国民が約4,000万人あり、個人破産の最大の原因は医療費であるとされています。個人の医療費を払うのに借金し、そして、破産するのです。
2)日本の医療のレベル
日本の医療は、乳児死亡率の低さ、平均余命の長さ、アクセスの良さでは世界一といっていいと思います。
3)日本の医療費
日本の医療費は、2008年、31カ国のOECD加盟国のなかで、対GDP比で22番目、一人当たりの医療費は20番目でした。アメリカはどちらも1位で、日本の2〜3倍の額です。日本の医療費は決して高くはありません。日本の高い医療レベルは、世界でも平均以下の安い医療費で維持されています。
4)社会保障制度
困ったときに、みんなで助け合おうというのが社会保障制度です。その中に、医療保険制度や年金などがあります。アメリカの一部の人は病気になると破産してしまうのですが、日本では、病気になり、困ったときにはみんなで助け合う医療保険がありますから、そんな事はありません。全国民の保険料や税金を使って、助け合っています。
5)受診時定額負担
医療機関を受診するたびに、現在払っている 窓口での自費分(0割〜3割)と定額負担を支払う制度です。定額として一回に100円が計画されていますが、500円、1000円と高くなる可能性もあります。政府は日本の医療費が高すぎるので(決して高くはないのですが)、医療機関を受診する患者さんの負担でそれを補充しようとしています。
医療は、社会保障ですから、保険料や税金で全国民がみんなで負担すべきと思います。受診時定額負担は困っている患者さんからの負担を、さらに増やす制度には反対です。
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