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NO. 175
「名文どろぼう」を泥棒する
平成22年11月
「名文どろぼう」(著者 竹内政明、2010年3月20日発行、発行所 株式会社文芸春秋)という文春新書があります。
面白くて涙を出しながら読み、感動して涙を出しながら読みました。今回は、大々どろぼうになって、「名文どろぼう」の上前をはねさせていただきます。当然、著者のお許しは頂いていませんが、どろぼう同士で許してくださるでしょう。一部しか載せられませんので、是非、購入して読んでください。定価730円です。
【まず、大笑い涙の“「デ」と「ブ」”のところで】
“ 最近型の体重計が発売された。声でいろいろなアドバイスをしてくれる。例えば、「体重が徐々に増えています。お気をつけください」というように。ある婦人がさっそく買い求め、ドキドキしながら体重計に乗った。
体重計が告げた。
「一人ずつ乗ってください」 “
(早坂隆「続・世界の日本人ジョーク集」)
10分間は笑えました。
【次は、感動の涙の“母親と涙腺”のところです】
“ しっかりと飯を食わせて陽にあてしふとんにくるみて寝かす仕合せ ”
(河野裕子)
“ 朝に見て昼には呼びて夜は触れ確かめをらねば子は消ゆるもの ”
(河野裕子)
“ 子がわれかわれが子なのかわからぬまでに子を抱き湯に入り子を抱き眠る ”
(河野裕子)
安部譲二さんの「堀の中の懲りない面々」から、刑務所の中で親を泣かせていることに悔やむ安部さんをいたわって言う老人の言葉です。
“ 誰でも、生まれた時から五つの年齢までの、あの可愛らしさで、たっぷり一生分の親孝行はすんでいるのさ、五つまでの可愛さでな ”
子どもが一所懸命に親孝行をしてくれているあいだに、子どもに親孝行をしてもらいましょう。しっかり抱きしめさせてもらい、親孝行をしてもらいましょう。中学生になると、まず、抱っこはさせてくれません。
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