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NO.148

熱中症(三太くん久しぶりの脱走)

平成20年 8月

 我が家の8歳のワンちゃん(三太くん)が久しぶりに、脱走して近所の方に引かれて帰ってきました。嬉しくて、嬉しくて、走り回っていたのでしょうか、帰ってきたら、元気がありません。毛皮を着て汗もかかない三太くんですから、熱中症になっていたのでしょう。

 暑い日が続いています。今回は熱中症について。

 【1】分類と症状
 熱中症の分類にはいろいろあるようですが、今回は比較的新しい分類を紹介させていただきます。T度が軽症、V度が重症です。

T度 1. 熱けいれん
    体温は40度までの上昇で、筋肉のけいれんで、所謂、「こむら返り」が起こる状態です。意識が無くなる「熱性けいれん」とは違います。
  2. 熱失神・日射病
    長時間の高温環境(サッカーや野球、行楽でも)で発生し、一般には体温の上昇は軽度ですが、血圧が下がり、一過性の意識低下(失神)が起こる状態です。
U度 熱疲労
  脱水が激しく、体の中の電解質(NaやCl)のバランスが崩れた状態です。脱力感、嘔吐、頭痛、めまい、筋肉痛、低年齢では異様な興奮や不機嫌となります。体温の調節は保たれており40度を超える発熱は無いようです。
V度 熱射病
  40度以上の高体温、発汗停止、中枢神経症状が特徴です。激しい脱水から、肝臓や腎臓に障害をきたし、けいれんや、意識障害も起こります。致死率も高くなります。

【予防】
 三太くん、もともと夏は弱いのに、脱走して、走り回ったのがまずかったのです。元気なく首を投げ出し、食欲もなし、大丈夫だろうか。
 まずは、小さい子供を、暑いところに長く置かないことです。特にクーラーをつけていても、車の中に子供を置いたままには絶対にしないでください。
 スポーツや遊びで室外に長くいる時には、水分と塩分の補給を十分にして下さい。そして、ときどき日陰で休んでください。市販のスポーツドリンクだけでは塩分が不足しているようですから、他の方法で塩分の補給も必要です。
 熱中症に気をつけて、楽しく遊べるようにして下さい。

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