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NO.105

フッ素の話

平成16年 12月

国立成育医療センターが発行しているメールマガジンに「フッ素の話」と「こどもの歯磨きについて」がありましたので、紹介させて頂きます。
今回は「フッ素の話」です。

フッ素の話          第二専門診療部 歯科医師 勝又 由紀
 虫歯予防にはフッ素が効くというような話を聞いたことがある方も多いかと思います。
 フッ素には、
  1)歯の表面を強くする(耐酸性の向上)
  2)初期の虫歯を修復する(再石灰化)
  3)虫歯の原因菌が酸を作るのを抑える
という虫歯予防作用があります。これらの効果を期待して歯にフッ化物の応用をするのですが、現在日本で応用されている方法としては、フッ化物を歯面に塗布する方法、フッ化物の入った洗口液でうがいをする方法、フッ化物入り歯磨き剤を使う方法などがあります。これらの方法ではそれぞれ使われるフッ化物の濃度が違います。歯面塗布に使われるフッ化物にはリン酸酸性フッ化ナトリウムあるいはフッ化ナトリウムでできた溶液やゲル状のものがあります。これらにはフッ素が9000ppm含まれています。ちなみに日本で市販されているフッ素入り歯磨き剤のフッ素の濃度は1000ppm以下です。
 フッ化物の歯面塗布は歯科医院などで歯科医師や歯科衛生士によって行われる方法で、フッ化物応用の中では濃度が高く、その頻度は1年に2〜4回くらいが適当とされています。他にもいろいろなフッ化物の利用法があるかと思いますが、虫歯にどのくらいなりやすいかは人によって違いますので、ご不明な点はかかりつけの歯科などでご相談されることをお勧めします。 フッ素は魔法の薬ではありませんので使っていれば絶対に虫歯にならないというようなものではありません。歯磨きが上手にできているかどうかはもちろん、食事の内容や食べたり飲んだりする時間、頻度によっても虫歯になりやすさは変わってきます。フッ素の虫歯予防効果はきれいなお口に使うことでより大きく期待できるものとなります。

 次回は「子どもの歯磨きについて」です。
2004年も最後の月となりました。被災地の子どもたちが、少しでも暖かい冬を過ごされる事をお祈りしています。