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NO.100

2回目の水痘(みずぼうそう)

平成16年 7月

平成8年3月からはじまった“今日も元気で”ですが今回で100回目となりました。少しは、子ども達のためになったでしょうか。

今回は“水痘(みずぼうそう)”について書きます。平成13年6月に「みずぼうそうが流行っているようです。」として“水痘”を取り上げていますが、今回も、3年ぶりに「最近、流行っている」ので“水痘”です。

T)まず、前回のまとめです。

【水痘帯状疱疹ウイルス】水痘と帯状疱疹の原因のウイルスです。水痘に罹った後に、抵抗力が弱ったりすると、体の中から帯状疱疹が出てきます。

【潜伏期】発疹のでる1〜2日前から、全ての発疹がカサブタ状になるまで他の子どもに感染します。潜伏期(接触して発疹が出るまで)は12〜16日です。

【治療】塗り薬と飲み薬があります。かなり効果があるようです。元気であれば、体はシャワーなどで清潔にしてください。

U)これからは、「2回目の水痘(みずぼうそう)」です。前回とは違う視点で水痘について書きます。

【先天性水痘】 妊娠早期に母親が水痘に罹ると、手足の退化や中枢神経や眼球の異常をきたす先天性水痘になります。ある報告では、妊娠13週から20週に水痘に罹ると、約2%の頻度で赤ちゃんが先天性水痘になる、と書いてあります。

【新生児水痘】 母親が出産5日前から出産2日後までに水痘に罹り、新生児が生後10日までに水痘になると、致命的になります。

【生後4ヶ月までの水痘】 麻疹(はしか)は、母親からの免疫があれば生後6ヶ月までは、まず罹る事はありません。一方、水痘では、母親からの免疫がある生後4ヶ月まででも罹ることがありますが、軽くてすむようです。

【2回目の水痘】 私が学生のころに、麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘などは終生免疫で2回は罹らないと習ったと思っていましたが、最近ではそうでもないようです。特に水痘は、母親の免疫が残っている時に軽い水痘(生後4ヶ月まで)に罹ると、免疫が十分に出来なくて2回目の水痘になる事があるようです。

【予防接種】 前回、結婚式の2日前に水痘になった運の悪い男性について書きましたが、水痘は一生の間に必ず罹る病気です。そして、罹れば1週間は休むことになりますし、いろんな合併症や稀ですが先天性水痘などもあります。水痘ワクチンは副作用はほとんどなく、安全性の高いものです。任意摂取で、やや高価ではありますが、小学校入学前までには、予防接種を考慮してください。

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