NO.84 発熱(2) 平成15年 3月 発熱については、「今日も元気で」の35回(平成11年1月)で書きましたが、最近、ある雑誌(小児内科Vol.35No.1)に発熱についての特集がありましたので、そこからつまみ食いをさせて頂きます。 1)発熱の定義 38℃以上で明らかな発熱、年齢が低いほど高い、朝より夕方のほうが高い、食事(哺乳)のあと、運動のあとは高い、厚着をしたりおんぶしていると高くなる。 健康小児の腋窩温
2)新しい体温計 おしゃぶり内に電子体温計を組み込んだ体温計が、米国で多く使用されているようです。 臨床的には有用であるようですが、おしゃぶりをしない赤ちゃんで測定できなかったり、母乳栄養の赤ちゃんの場合に乳頭との混乱が起こるのではないかとの指摘があるようです。 オムロンが2001年に発売した「けんおんくんMC610」は3〜5秒で測定ができる、魅力ある体温測定器と思われる、と雑誌では褒めていました。 耳式体温計は、アンケート調査で、「信頼性に乏しく使用しなくなった」、「目安として用いている」などの回答が多く、信頼性がまだ十分とは言えず、限界を理解して使用すべきとしていました。 3)母体が発熱したときに母乳栄養はやめるべきか? 母乳中には多くの感染防御因子が含まれているので、特殊な場合を除いて、母親の感染症が日常的な感染症ならば授乳(または搾乳)は継続できるとしていますし、授乳の継続を勧めています。特殊な場合とはHIV(エイズ)、ATL(成人T細胞型白血病)、サイトメガロウイルスなどです。 母乳から、感染を受けることは稀なのですが、お母さんとの皮膚の接触や鼻や口からの分泌物や、空気感染、飛沫感染などをする感染症の場合には、搾乳して母乳を飲ましてあげたらいいようです。 ほとんどの薬剤は母乳中に移行するが、乳児の体内に吸収される薬物量は母体投与量の1%に満たないが、少量でも有害反応を生じる薬剤もあるとのことです。 やはり、お母さんが病気のときは、母乳をあげてもよいかは、医師に相談したほうが良いようです。 次回ももう少し、同じ雑誌から「発熱」について取り上げて見ます。 |