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NO.79

禁煙外来の子どもたち

平成14年 10月

 【禁煙外来に子どもたちが受診する。】のです。

 「禁煙マラソン」などインターネットを使った企画をはじめ、全国を飛び回って禁煙活動をなさっている内科医師高橋裕子先生の新刊の題名が「禁煙外来の子どもたち(発行 東京書籍)」です。今回はこの本の内容の一部を紹介させていただきます。

 第一章 着実に増えている子どもの喫煙  

成人の喫煙は減少傾向にありますが、子どもの喫煙は確実に増えているようです。中学男子で10%から20%が喫煙しており、高校男子では20%から40%と2倍になります。そして、驚くことに、喫煙している中学一年生に聞くと、タバコの吸い始めは小学4年生以下だったとの回答が最多でした。

 第二章 吸いはじめは家庭のタバコ

喫煙のきっかけは「好奇心から」「なんとなく」「友達にすすめられて」の順になっています。そして、タバの入手方法は「家庭にあるタバコ」が最も多くなっていて、家庭のすいがらや封のあいたタバコから抜き取っているようです。

「・・親が吸っている、目の前にすいがらやタバコがあるという状況が子どもに影響を与えています。(本文より)」

 第四章 子どもたちの健康への影響

14歳以下でタバコを吸いはじめると

 @ 50〜59歳での死亡率が            3.78倍

 A 50〜59歳でのガンによる死亡率が       4.25倍

 B 50〜59歳での虚血性心臓病による死亡率が   10.34倍

 第五章 ニコチン依存症

「20歳を超えてから喫煙を開始すれば、タバコ依存の状態になるのに5年から10年はある、と言えましょう。・・・とくに小学生の場合には、はじめての喫煙から早い子どもでは1カ月程度で、毎日あるいは定期的にすいがらを抜き取るところまでゆくことがしばしばです。(本文)」

 タバコを吸ってはいけないのは、法律で禁止しているからでは無く、学校で叱られるからでは無く、不良っぽく見えるからでは無く、ただ、健康に悪いからです。今後、何十年も元気で生活しないといけない子どもたちにはタバコの害はいりません。

高橋医師が、喫煙する子どもたち、ひとり一人に真剣に愛情を持って接している姿が伝わってくる本でした。タバコの事で悩んでいるお父さんお母さん、また、悩んでいる学校の先生がいらしたら、是非とも読んでみてください。

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