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NO.72

今年のインフルエンザ事情

平成14年 3月

 昨年は、インフルエンザについて書きませんでしたが、それまでは、毎年のように冬になれば、インフルエンザについて書きたくなるようにインフルエンザが流行していました。

今年は、保育園の発表会に合わせたように、インフルエンザの流行がありました。今回は今年のインフルエンザのついて感じたことを少し書かせて頂きます。

 1)インフルエンザ予防接種について

 予防接種の効果については、色々といわれていますが、昨年の10月より老人に対して、自治体が公費負担で予防接種を開始いた為か、今年は老人のインフルエンザが減っているような気がします。一方、子どもに関しては、予防接種を2回したのに罹ってしまった子どももいますが、ワクチンの有効性を否定するものではないと思います。麻疹や3種混合ほどの効果は無いようですが、やはり、インフルエンザ治療の最初の選択肢は予防接種だと思います。

 2)インフルエンザの薬について

 薬には、インフルエンザのA型だけに利く薬と、A型・B型の両方に利く薬があります。しかし、子どもには、B型に利く薬はありません。今年中には、A型・B型に効く薬が子ども用に出るはずですが、小児科医のひがみでしょうか、子どもはいつも後回しにされるようです。本当にそうなんです。

 3)インフルエンザの検査について

 数年前までは、インフルエンザの薬はありませんでしたから、インフルエンザと他の風邪との鑑別はそんなにも必要ではありませんでした。しかし、インフルエンザの薬が出来ましたから、インフルエンザの診断を確定して、治療を開始ということになります。インフルエンザの症状がはっきりしている場合や、兄弟や保育所や学校のクラスなどで流行している場合には診断は比較的容易ですが、そうでない時には、診断には検査が必要です。最近では、喉や鼻の奥で増殖しているインフルエンザウイルを直接検査する簡単なキットがあり、検査の結果をみて治療の開始という理想的な診療が出来ます。しかし、このキットが全国的に不足してしまいましたが、来シーズンには不足がないようにしてほしいものです。

 4)最後に

 最近のインフルエンザに対する診断・治療の進歩はかなりのものです。インフルエンザ脳症で亡くなる子どもが、一人でも少なくなることを祈りたいと思います。インフルエンザの最新の流行状況については “http://mhlw.sfc.wide.ad.jp”で見ることが出来ます。

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