NO.71 おいしい薬 平成14年 2月 1)小児の服薬コンプライアンス(小児科 1月号) 2)小児用“おいしい薬”の作り方(NIKKEI Drug Information 12月10日号) 3)小児の薬の味・服用方法について(外来小児科 12月号) 外来での会話です “熱は下がって、元気になりました。あの薬は、苦くて、一回しか飲みませんでしたけど“ とお母さん。 “それは、よかったですね・・・・・”と私。 子どもの病気は、ウイルス性のものが多く、薬の力が必要のないものも多くありますが、少しでも合併症をすくなくしよう、なるべく早く症状を軽くしてあげよ、そしてこの症状にはこのくすりは必要だ、と考えて薬を出しています。しかし、子どもは、どこでも薬はきらいな様で、お母さんと小児科医を悩ましているようです。上の三つは、最近の雑誌に載っていた、“どうしたら上手く薬を飲ませることができるか”の論文の題です。 論文のエキスを取り上げてみました。 @ 45%〜86%のこどもが薬を飲めている。半分の子どもしか飲めていない、という調査もあるようです。 A 女の子のほうが、薬を嫌がって飲まない。女の子はがんこです。 B 第一子のほうが薬を飲まない。お母さんたちは二番目の子どもには、第一子からの経験で上手に飲ませることができているようです。 C 重症な子どもほど、飲みにくいのかもしれませんが、薬が飲めない子ほど再診の時に、症状がよくなっていないようです。 D 薬を飲めない理由:苦い・甘すぎる・においが強い・とにかく飲むのをいやがる・無理やり飲ませても吐き出す・口を開かない(子どもはわがままです。) E それでは、どうすれば、おいしく飲めるのか。 薬の種類により違いますが、論文から拾い上げてみました (ア) 「好きな飲料にまぜる」ではダメ (イ) 水で飲んだほうが飲みやすいこともある (ウ) オレンジジュースよりもりんごジュース (エ) できるだけ、少ない水分でとかす (オ) アイスクリーム、ミルクココア(粉)、コーヒー牛乳、水ようかん、コンデンスミルク、ピーナッツクリームなどもありました (カ) ご飯と一緒、みそ汁に混ぜる、海苔にまいてなども (キ) 歯医者さんには、叱られるでしょうが、最終手段として、練りチョコレートもありました “薬は飲みませんでしたが、良くなりました。”ではありませんが、薬が飲めないことを、小児科医に訴えておくことも大事です。 |