松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ

NO.13

チリダニ

平成9年 3月

 子供の気管支喘息の90%近くはダニが原因で起こります。そして、日本の家庭には十数種類のダニが住んでいますが、気管支喘息の原因となるのは主にチリダニと呼ばれるダニです。今回はこのチリダニについてお話します。

 チリダニの大きさは 0.2〜0.5 mm で 30〜40日で卵から成虫になります。メスは1日に 1〜3個を、一生で約100個の卵を生みます。温度25℃前後、湿度75%前後がダニには最も適した環境です。一匹の寿命は2〜3ヶ月で、なかには1年ぐらい生きるものもあるそうです。

 床面には 1uあたり(たたみで約半畳)に2000匹 のダニがいます。特に寝室の床面に多くいます。寝室の角に黒い紙を置いて、白い小さなものが動いていたらダニかも知れません。試して見てください。また、二段ベットにはダニが多く、上段より下段の敷板にはさらに多くのダニがいます。喘息の子供が二段ベットに寝ている時には注意が必要です。

 1年のうちでは 高温多湿となる7月、8月と、押し入れから冬布団を出す10月がチリダニの多い時期です。特に長期間押し入れにあった布団にはダニがいっぱいです。里帰りをした夜に喘息発作が起きれば、久しぶりに出した布団が原因かも知れません。

 ダニが100個/u以下になると喘息発作が減ります。喘息で悩んでいたらチリダニ撃退作戦を考えて下さい。

 まず、掃除機をかける事です。1uにつき20秒以上、6畳のへやで約4分以上です。

 寝室は出来るだけ毎日、その他の部屋は無理のない程度(3日に1回ぐらい)にかけて下さい。寝具類も掃除機をかけて下さい。寝具専用のノズルで床面と同様に1uにつき20秒以上をかけて、1週間に1回程度でいいようです。布団の天日干しをした後も掃除機をかけて下さい。ダニは熱に弱いので衣類乾燥機も効果的です。毛布類の殺ダニとして利用できます。しかし、ダニの死骸や糞の除外が重要ですから、乾燥機使用後は掃除機をかけてください。

 気管支喘息や年長児のアトピー性皮膚炎が無いときには、ダニにいたずらに神経質になる必要はありません。しかし、寝室で掃除機を少し長めにかけて、寝具専用のノズルで1週間に1回布団の掃除をしてやるとダニはかなり減るようです。

松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ