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NO.9

口の中

平成8年 11月

 子供の口の中は、生後より色んな変化をみせ、病気のサインが隠れていたり、異常ではないのにお母さんを心配させる事もあります。今回は口の中についてお話します。

 ”歯について”

 歯が生えるのは、6ヶ月頃が普通ですが、”1才に 近くなっても生えてこない”と検診の時に心配されるお母さんがいますが、14ヶ月まで生えない子もいます。また、生える順番は最初は下の真ん中で次が上の真ん中が普通ですが横から生える事もあり、心配いりません。

 生まれた時から歯が生えている事もあります。ローマ皇帝シーザー、ポルトガルの航海者マゼラン、フランス皇帝ナポレオンが生まれたときから歯が生えていたそうです。2000人に1人の割合で歯が生えて生まれてきます。正常な乳歯の事もありますが、抜ける事がおおいい様です。

 ”はぐきについて”

 生後しばらくして、はぐきに白い小さな粒のようなものに気づく事があります。”真珠腫”と言われ、数週間のうちにはがれ落ちます。

 はぐきが赤くはれ、熱が出て、出血しやすくなり、痛くて食べれなくなり、よだれが多く出る病気があります。”単純ヘルペス”というウイルスの病気です。大人では、くちびるに小さな水疱をつくり、”熱の花”と言われる病気を起すウイルスです。4日から5日間熱が続き、はぐきは1週間近くはれて食べれません。

 ”舌について”

 舌の下面の真ん中のヒダの様なものがあります。これを”舌小帯”といいます。これが短いとヒダが舌の先まで付いているようになり、舌が前に出にくくなります。しかし、哺乳障害や発音障害の原因になることはまず無く心配いりません。舌が上あごに付かなかったり、上くちびるをなめられない程に悪かったら手術を考えます。

 舌の上面に灰白色の盛り上がったすじ状の境界ができ、中が赤くなる事があります。地図状舌と言われ、原因は不明ですが心配いりません。

 また、舌の上や頬の粘膜に白いミルクのかす様のものがつくことがあります。こすってもなかなか取れません。”鵞口瘡(がこうそう)”と言われ、カビの感染症です。カゼや抗生物質を飲んだあとや抵抗力の弱った時に出ます。ミルクの飲みが悪くなるようでしたら病院で塗り薬をもらって下さい。

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