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NO. 249

おねしょ(夜尿)

平成29年5月

 夜尿の定義として、「夜尿症診療のガイドライン2016」では、

 「5歳以降で、1カ月に1回以上の夜尿が3ヵ月以上続くもの」

 となっています。その「ガイドライン2016」から今回は、夜尿についてです。

  夜尿には一次性夜尿と、二次性夜尿があります。一次性夜尿は夜尿が消失していた時期があったとしても6カ月に満たないものです。つまり、生まれてからずっと夜尿が続いている子供です。そして二次性夜尿は6カ月以上消失していた時期があるものを言います。「ずっと夜尿がなかったのに、どうしてだろうか、最近、おねしょがはじまちゃった。」です。

  なぜ、一次性と二次性に分けるかですが、夜尿にはいろんな原因がありますが、二次性の方が、他の病気が原因であることが多いからです。一度、夜尿がなかった子供に夜尿が始まったら、早めに医療機関を受診して、詳しく検査をする必要があります。

 日本での夜尿の頻度は、一般的に就学直前の5〜6歳で約20%、小学低学年で約10%台、10歳を超えても5%前後みられ、中学校時代に1〜3%まで減るが、成人になっても継続することがあるとされています。

 結構な頻度です。小学1年生で、クラスに5人前後は夜尿があるのです。

 「小学生になっても、おねしょするのは、ぼく(わたし)だけかな」と悩む必要はないのです。

 夜尿の子供は、大きくなると自然に少なくなります。毎年、15〜17%が自然に夜尿がなくなるとされています。10人の夜尿の子供の1〜2人は自然に治ります。しかし、積極的に治療をすると、約50%、10人の夜尿の子供の5人は1年で夜尿が治るとされています。

 そのうち治るだろうと、思っていて、小学校高学年になってしまうこともあります。ガイドラインでは「生活指導をはじめとする治療介入により、自然経過に比べて治癒率を2〜3倍、高めることができ、治癒までの期間も短縮する。治療により夜尿からの解放が2年以上短縮できる計算である。」としています。

 夜尿は病気と考えてください。そして、決して珍しい病気ではありません。ガイドラインでは日本人の場合、夜尿は「恥ずかしい」「隠したい」などの気もちがあり、初診のタイミングが遅れるとしています。

 小学入学前後に夜尿があれば、早めの受診をしてください。

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