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NO. 247

足に合わない靴は身体に悪さをする

平成29年3月

 最近の、子どもの靴は、楽しい色や楽しい工夫があり、
「これ、あたらしいクツだよ。」と自慢顔な子どももいます。

でも、時々、「子ども達の靴の大きさ、これでいいのかな?」「靴の中で足がおどっているのじゃないの?」と思うことがあり、どの様に考えたらよりか迷っていましたが、「子どもの足と靴の問題」として、整形外科の先生が書いた資料がありましたので紹介いたします。(小児科Vol.58 No.2 2017より)

 *足の変形や痛みのある人がどのようなサイズの靴を履いているかといえば、ほぼ100%実際の自分の足サイズよりの大きいものを履いてくる。

 *どのような靴が身体に悪さをするかというと、実は“自分の足サイズより大きい靴”なのである。

 *“子どもの98%は健康な足をもって生れてくる。大人の60%は足の障害で苦しんでいる。それらの障害や足の変形は、靴が小さすぎたり、大きすぎたり、トゥラインが先細りであったり、幅が広すぎたりする足に合わない子どもの靴を通して起こる”というのは2000年にドイツの靴産業連盟が出した声明であり、いかに子ども時代の靴が大切かを物語るものである。

 *舟橋市内の幼稚園児の靴で足長の確認できたのもとの適合をみると、上靴で適合が51.9%、足サイズより大きいが41.8%、足サイズより小さいが6.3%であった。小学生の1〜6年生でも幼稚園児同様に半数以上が足に合わない靴、とくに足サイズより大きい靴を履いていることがわかった。

 *子どもたちの足の変形は大人同様にみられるが、一番の問題は本人が“痛い”とは言わないことが多く、大人が注意しなくてはいけないことである。

 *靴を履いた際に爪先の余裕がないと爪が当たってしまう。そのため靴の爪先には捨て寸といって、実際の足の長さより1cm前後の余裕を持たせて作られている。一方欧米の靴にはこの捨て寸はない。

 *筆者は、中敷きの外れる靴を勧めている。これであれば中敷きを外して足裏に合わせるだけで、大きい・小さいの判断は簡単につく。

と書いています。

「子どもはすぐに大きくなるから少し大きめの靴を」はダメです。靴の中で足が前後に動くのはダメです。踵をしっかりつけて、親指先が1cm前後の余裕がある靴を選んでください。そして、靴ひも又はマジックテープはしっかりと締めて、いっぱい走り回れるようにしてあげて下さい。

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