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NO. 170

もう一度、予防接種について

平成22年 6月

 前回、“「こども手当」で予防接種を受けましょう”でしたが、今回も同じ予防接種についてです。倉敷の小児科の医師たちが、倉敷市に提出した要望書の一部を載せますので読んでみてください。小児科医の気持の文章です。

【 括弧小児用ワクチン(インフルエンザ菌b型ワクチン,小児用肺炎球菌結合型ワクチン, ヒトパピローマウイルスワクチン)への公費助成に関する要望書
 
  日本は20〜30年前までは世界のワクチン先進国でした。しかし、その後欧米先進国で開発され世界で標準的に使われている多くのワクチンが、日本では開発・承認が遅れ長い間使えない状態にありました。最近になってやっとこれらの小児用ワクチンが認可されたことは非常に喜ばしいことです。
2007年にWHOは、世界各国でこれらのワクチンを定期接種プログラムとして優先的に導入すべきであると勧告しています。欧米先進国はこれらの小児用ワクチンは定期接種として無料で接種を受けることができますが、残念ながら日本ではすべて有料の任意接種ワクチンです。
  ワクチンがもたらす恩恵は多いですが、特に重要なものとして、重篤な感染症から小児が守られる「小児への恩恵」、子供が病気にならなければ、精神的、経済的負が担軽減される「家族への恩恵」、初期診断の難しい髄膜炎のリスクから開放される「医療従事者への恩恵」、最後に小児への抗菌薬の不必要な使用を抑制できる「医療全般への恩恵」が挙げられます。以上のことから、これらの小児用ワクチンの接種費用は、まさに、「こどものいのちを守る予算」と位置づけられます。
  全国自治体においても公費助成を行っているところは徐々に増加しております。
  倉敷市におかれましても摂取率向上のため、これらの小児用ワクチンの公費助成を是非ご検討賜りますようにお願い申し上げます。 】

下関市では署名活動が開始されるなど、全国でこれらの予防接種の公費助成を求める動きがあります。岡山でも倉敷に続けと、小児科の医師が、各地町村への要望書の提出と署名活動を始めようとしています。公費助成を実現するには、お父さん・お母さんの理解と協力が必要です。

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