松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ

NO. 163

今年のインフルエンザワクチン V

平成21年 11月

 やっと、新型インフルエンザワクチンの姿が見えてきました。岡山県では、11月16日から、「基礎疾患を有する患者さんのうち、特に優先する最優先対象者」から接種が開始されます。

 恐らく、接種の対象者に関しては多くの混乱が起こると予想されます。そして、ご存じのようにワクチンの数量の不足が予測されていますので、最優先対象者と考えられても、直ぐには接種が出来ないことが起こるなど、混乱に拍車がかかるのではと心配されています。

 小児科領域で最優先と考えられている疾患とは

@慢性呼吸器疾患  A慢性心疾患  B慢性腎疾患  C神経・筋疾患     D血液疾患  E糖尿病・代謝性疾患  F悪性腫瘍  G関節リウマチ・膠原病 H内分泌疾患  I消化器・肝疾患  JHIV感染症・免疫抑制状態  Kその他の小児疾患(1歳以上の長期入院児、重症感染症後のフォローアップ中の患児)

とあります。

 @慢性呼吸器疾患に気管支喘息の患者さんが含まれます。AからKの疾患は比較的少ないのでしょうが、気管支喘息と診断されている子供はかなり多いと思われます。
そして、気管支喘息でも下のような子供が最優先とされています。

「気管支喘息で継続して治療を受けているか、治療を受けていなくても経過観察のために定期的に受診している患者、現在は寛解状態にあるが5年以内に喘息で治療を1年以上定期的に受けた既往のある患者を優先する。」

 発作の予防のために、発作のないときも続けて治療を受けていたり、過去に続けて受けたことがある患者さんとなります。これは、「軽症持続型の気管支喘息」となり、治療をしていないときは、毎月のように発作があった患者さんです。

  過去に気管支喘息の発作を起こしたことがあるが、1年に数回の発作で普段は医療機関に通院していない患者さん。「間欠型の気管支喘息」は含まれないことになります。

 いずれにしても、かかりつけの医師に相談しなくてはなりませんが、残念ながら、現時点(11月2日)でも、各医療機関に「ワクチンが何本配られるか」がはっきりしていません。医療機関に相談されても「予約は、もう少し待って下さい」の返事になるかと思われます。

松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ