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NO.162

今年のインフルエンザワクチン U

平成21年 10月

 新型インフルエンザの波が、じわじわと寄せてきているようです。10月、11月に本当の第一波が来るだろうとされています。本当の第一波と書いたのは、これまでの日本で起こっているインフルエンザの波は、まだまだ余波なのです。

 今後の新型インフルエンザの流行を、過去のインフルエンザ(ソ連かぜや香港かぜ)のパンデミックな感染の経験から、次のように予想する専門家がいます。

 まず、この10月、11月の第1波が来て、日本人の20%〜25%が感染する。しかし、20%〜25%と言っても、年齢により感染の率は大きく違い、20歳以下の子供たちの60%前後が第一波で感染し、大人の感染は10%〜20%までとされています。

 次に、第二波が、来年の秋にやってくる。第二波でも日本人の20%〜25%が感染してしまう。結局、第二波までに日本人の約半分、5000万人は今回の新型インフルエンザに感染するのです。

 その後の新型インフルンザがどうなるかと言うと、毎年のようにやってくる季節性インフルエンザと呼ばれるようになるのです。そして、今の季節性インフルンザと呼ばれているソ連型・香港型のインフルエンザウイルスは、新型インフルエンザによってどこかに追っ払われてしまいます。

 前回の“今日も元気で”では新型インフルンザワクチンの様子が、まだ、はっきりとしていないと書きましたが、少しずつ明らかになってきています。

 新型インフルエンザワクチンの優先的な接種対象者は、「医療従事者・妊婦・基礎疾患がある人・一歳以上で就学前の小児・一歳未満の小児の保護者」となるようです。しかし、現時点(9月29日)では、10月の末には新型インフルンザワクチンの接種が始まるようですが「どこで、だれが、何回」するのかは明らかになっていません。さらに、10月からやってくる新型インフルエンザの第一波には間に合わないのではと思います。

 では、「今年のインフルエンザワクチンはどうするのか?」ですが。

 まず、新型インフルエンザワクチンの優先接種者となっていない方、特に高齢者の方は、従来の季節インフルエンザワクチンンをしっかり受けて下さい。

 そして、優先接種の対象となる方も、新型・季節性インフルエンザワクチンのどちらも受けることができますから季節性インフルンエンザワクチンの接種も忘れないでください。新型と季節性ワクチンの同時接種もできると思われます。

  結局、「新型インフルンザワクチンも大切ですが、季節性インフルンザワクチンも忘れないでください。」でしょうか。