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NO.151

三太くんのおしっこ

平成20年 11月

 三太くん(我が家のワンちゃん、9歳になりました)は散歩が大好きです。家から飛び出すと、このの電柱、あそこの電柱、もう一つ電柱と、右足を挙げ、次は左足を挙げと一晩たまったおしっこを出して回ります(近所の皆様、申し訳ございません)。しばらく歩くと、マーキングが始まります。クンクンと匂いを嗅ぎながら、他の犬のおしっこの匂いがすれば、足を上げておしっこをかけて回ります。30分の散歩の間に30回は片足を挙げています。だんだんおしっこがなくなり、1滴2滴となり最後には何も出ないのに足を挙げています。「三太くん、なにをしてるの、なにも出てないよ」と言ってやりますが、頑固な三太くんは「いいの、ぼくは、するの」と言って、足を挙げるのは止めません。

 三太くんを例に出すのは、失礼な話ですが、子供にも突然このように、「今、行ったのに、また、おしっこ?」「20分前に、おしっこに行ったとこでしょう。」と頻尿になることがあります。

 4、5歳から小学校低学年によくあります。膀胱炎のように熱が上がったり、おしっこをするときの痛みもない。糖尿病の時のようにたくさんの尿が出るのでもなく。夜尿が始まるのでもない。そして、医療機関で尿や、超音波(エコー)などの検査をしても腎臓や膀胱には異常は見つかりません。

 このような頻尿を「心因性頻尿」と呼びます。
 “お遊戯会、発表会が近づいた。子供を取りとりまく環境が変わった。ひどく叱られた。”などがきっかけとなることがあります。しかし、原因を特定するのは困難なことが多く、犯人探しになるのはよくはありません。「ぼく(わたし)、少しきんちょうしています」のサインだと思ってください。

 「また、おしっこ行くの」はよくありません。おしっこに家族や保育園の先生、幼稚園の先生が注目してしまうと、ますます、回数が多くなります。おしっこに行ったら、「また、行ったな」と心で思うだけで、無視をして下さい。そして、おしっこでなく「少しきんちょう」している子供を見てあげて下さい。この「心因性頻尿」は必ず治ります。いつの間にか、おしっこの回数は減っています。

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