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NO.130

RSウイルス

平成19年2月

 今季の冬は、まだインフルエンザが流行っていません。
この10年間ではインフルエンザの最も少ないシーズンのようですが、昨年の5月までインフルエンザがありましたから、まだ要注意です。
RSウイルスが12月ごろより流行っています。
RSウイルスとは聞きなれない名前ですが、“Respiratory Syncytial Virus”の略語でRSウイルスと呼ばれます。
”はしか“ とか”おたふくかぜ“などのいい日本語が見当たらないようです。
3ヶ月未満の乳児や、心臓の病気のある赤ちゃん、低出生体重児(未熟児)であった赤ちゃんが罹ると重症化する病気です。
毎年、冬になると流行し、インフルエンザが流行りだすと少なくなる病気ですが、今年はインフルエンザを押しのけてRSウイルスが頑張っています。

<RSウイルス感染症とは>
 2歳までに、ほとんどの子どもが罹る病気です。
70%の子どもは“軽いかぜ症状”で終わるのですが、残りの約30%の子ども、特に基礎疾患がある子どもや3ヶ月未満の子どもが罹ると気管支炎や肺炎となり危険です。
接触感染や飛沫感染(1m〜2mまでの範囲で感染)です。
手洗いととマスクが重要です。また、“はしか”等と違い何度でも罹ります。

<症状は>
 潜伏期は4〜6日間で、鼻水・セキ・発熱などの“かぜ症状”でおわることもあるのですが、6ヵ月未満の乳児や基礎疾患のある子どもでは2〜3日後に呼吸が速くゼイゼイが強くなりミルクの飲みが悪くなり、さらに重症となるとチアノーゼが出ます。

<診断は>
 症状からRSウイルス感染症は予想できますが、インフルエンザと同じように鼻に綿棒をいれてRSウイルスの検査が出来ます。
この検査は保険診療では入院をした子どもしか出来ません(現在の保険診療の話ですが、外来でも出来るようにしてもらいたいものです。)

<治療は>
 特別なクスリはありません。
インフルエンザのは効果のあるタミフルがありますが、RSウイルスには効くクスリはありません。
症状がひどくなれば、点滴、酸素や人工呼吸器を使うことになります。とにかく、小さい子どもが罹ると要注意です。

毎年、冬にはインフルエンザの話が出てくるのですが、今年はRSウイルスです。
しかし、インフルエンザもそろそろ顔を出すと思いますか気をつけてください。