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NO.120

食物アレルギー(2)

平成18年 3月

今回も食物アレルギーについてです。(“食物アレルギーの診療ガイドライン”より)

【1】お母さんの食物制限は?

妊娠中から授乳期にかけての母親に対する食物アレルゲン除去は、乳児期(0歳)までのアレルギー疾患の予防効果は期待できるが、乳児期以降のアレルギー疾患の発症予防は期待できない。
(お母さんが、子供のアトピー性皮膚炎予防のために食物除去することは、あまり効果が無いということでしょう。特に妊娠中に食物除去をすると赤ちゃんの成長障害を来たす可能性もあり、バランスの取れた食事をしてください。)

【2】食物アレルギーの診断は(原因食物を調べるには)?

詳細な問診と食物日記により、原因抗原(原因食物)を推定し、症状の起こりかたを把握する。(ガイドラインより)
(これが難しい。大人の場合には、「“エビ”“さば”を食べたら蕁麻疹が出ました。」となりますが、子供では、特にアトピー性皮膚炎などの場合には、「いつの間にかカサカサがひどくなった」とか、「最近、夜、寝る前にかゆがるんです」となり、お話を聞いただけで原因となりそうな食物を推定することは困難です。ましてや、食物日誌をつけてくださいなんて(私にはとても出来そうにないので)、お母さんには言えません。)
次に検査となります。検査には、皮膚テスト(原因となりそうな物質を皮膚に接種して反応を調べる)と、血液検査(採血をして血液で調べる)があります。

(「アレルギーの検査をしましょう」という時は、採血をしての血液検査のことが多いようです。どちらの検査も、問診などで原因がはっきりしていない時には、スクリーニングとして数種類の食物に関して検査がされると思います。)
そして、問診や上記のような検査で原因食物がある程度推定されたら“食物除去試験”“食物負荷試験”をして最終的な診断となります。
食物除去試験とは原因と推定される食物を含む食品を食事内容から完全に2週間除去することです。
(これも大変です。2週間も特定の食物を厳密に除去するのは、お母さんは大変でしょう。そして、たくさんの因子が皮膚症状に関係しましうので、食物除去による症状の変化であると断定するのは難しいようです)
次も食物アレルギーを。