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NO.98

喘息性気管支炎

平成16年 5月

先生、この子、喘息でしょうか?」

 「ゼイゼイいってますよね。こういうのを、喘息性気管支炎と言いまして喘息の様な気管支炎なんです。小さいときは、気管支が細く、気管支の周りの筋肉も弱く、かぜをひくとすぐゼイゼイなりやすいんです。ゼイゼイなりやすい子どものなかに将来、気管支喘息になる子がいるので、これから、注意してみていかないといけないんです。」

 4月の終わりになって、急に寒い日があり、北の方では桜の花が雪の帽子をかぶったそうです。気温の変化が激しかったせいでしょうか、喘息発作を起こしている子どもが多いようです。

 2〜3才までで、ゼイゼイなる子どもで、気管支喘息とはまだ言えないが、気管支炎にしては、外からゼイゼイとよく聞こえ、泣いた後なんか特に息が苦しそうになっている時に、喘息性気管支炎とお母さんに告げる事があります。

 喘息性気管支炎なんて変てこな病名はないとする医師もいます。小さい時に気管支喘息の診断が困難なことが多く、お母さんに「喘息ですか」と聞かれた時に、「喘息性気管支炎」は便利な病名になっています。

 では、「喘息性気管支炎」の将来ですが

 1)半分あまりの子どもが、小学校にはいるまでには、ゼイゼイはおさまるとされています。

 2)4分の1の子どもが、気管支喘息の診断を受けますが思春期までには、発作が起こらなくなるようです。

 3)そして、残りの4分の1の子どもが気管支喘息の発作を思春期以降も起こすことになります。

 では、どんな子どもが最後の4分の1に入り、気管支喘息のリスクが高いかと言いますと“両親が気管支喘息である”と“本人にアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎がある”となります。

 気管支喘息は早期に治療と予防が大切であるとされています。発作を起こす度に、気管支が傷つき、喘息が治りにくくなるとされています。

 「喘息性気管支炎」の診断を受け、特に家族や本人にアレルギーの症状がある場合には、早めに受診し、しっかりと治療をして、必要ならば予防(飲み薬や吸入、環境整備など)をして下さい。

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