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NO.83

インフルエンザ警報

平成15年 2月

 インフルエンザ警報が発令されました。2000年に始まった制度で、発令されるのは初めてだそうです。2回前に、インフルエンザの迅速診断について書きました。検査の信頼性がもう1つなので、症状が強くインフルエンザを示唆するならば、検査をせずに、インフルエンザの治療をしましょう、と書いたつもりです。

 今の勢いでしたら、近年にない大流行になりそうです。今回もインフルエンザについて、あれこれと思うことを書かしていただきます。

 【症状】インフルエンザと言えば、高熱が出てグッタリ、重症感ありが、一般的な症状ですが、結構、元気なのにインフルエンザの事があります。6ヶ月ぐらいの赤ちゃん、熱は38度ぐらいで、あやすとニコッとしている。インフルエンザではないだろうと思っていると、お母さんが心配だから検査を希望されるので、検査をしてみるとインフルエンザであったと言う事もあります。今の時季、乳児が熱を出していれば検査が必要だと思います。

 【検査】2回前に書きましたが、検査のキットが薬と同様に品薄です。症例を選んで検査をする必要があります。インフルエンザの迅速診断がこれほど手軽に出来るのは、日本だけだと思います。日本の医療保険制度のおかげです。

 【治療薬】インフルエンザには、子どもでは、シンメトレルとタミフルの2種類があります。どちらも品薄です。シンメトレルは、A型インフルエンザだけにしか効きません。粉薬と錠剤があります。タミフルはA型・B型インフルエンザの両方に効きます。ドライシロップとカプセルがあります。

 解熱剤とインフルエンザ脳症の関係から、解熱剤使用を躊躇される事がありますが、高熱でフーフーとなり、水分も取れない時には、解熱剤を使うべきだと思います。しかし、インフルエンザに解熱剤で使用していいのは乳幼児には絶対にアセトアミノフェン(商品名は色々あります)だけです。薬の内容の分からない場合には、使用しないで下さい。

 【その他】涼しくして、水分をしっかり取るようにしてください。熱の上がり始めは、ブルブルと寒そうですが、上がってしまうと涼しくしないと(コタツに入れるのはダメです)熱がこもって悪影響です。水分は一度に沢山ではなく、少しづつ何回もあげてください。りんごのすった物や、ゼリーなどもいいです。また、食欲のない時に、栄養大事と、無理に固形物を食べるのは、かえって体に負担になります。

 そして、どんな病気でも一緒ですが、お母さんが、「何か変だな」と思うときには、早めに医療機関を受診してください。

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