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NO.45

突発性発疹症

平成11年 11月

 特発性発疹症とは“生後4〜5ヶ月から1歳ぐらいの赤ちゃんが、突然高い熱を出して3〜4日続きます。生まれて初めての熱であることが多く、咳や鼻みずは出ません。熱が下がると、体中に発疹がでます。便もゆるくなります。はしかや三日ばしか(風疹)とは全然別の病気です。”(子どもの病気 ホームケアガイドより)

 最近、突発性発疹症をよく見かけるような気がします。上記が特発性発疹症(特発疹)ですが、もう少し詳しく書いてみます。

 罹る年令は生後6ヶ月が一番に多いようで、ほとんどが1歳までに罹りますが、1歳6ヶ月でもまれにあります。

 発熱は、最高39度近くまでなる事が多いようです。そして、生後初めての発熱の半分以上は特発疹です。

 熱が2〜4日続き、解熱した当日ぐらいに発疹が出ますが、微熱がある間に出たり、解熱後1日以上たって発疹が出ることもあります。“ブツブツが出ないので、特発疹とちがいましたね。”とお話をした翌日に“ブツブツが出ました。”とお母さんから電話が掛かったりします。発疹は顔の眉間や、お腹の下のあたりから出て、全身に広がります。

 熱が高いのに、ミルクをしっかりと飲み、機嫌も良いのが特発疹の特徴ですが、熱性ケイレンで病気が始まり、お母さんがビックリすることや、熱の2日目ごろからは下痢もよくします。

 特発疹の薬はないのですが、熱の初めは、残念ながら“のど”が赤くなるだけで、他のかぜとはなかなか区別が出来ないので、病院を受診すれば薬を処方されます。そして、熱が高くて機嫌が悪くなれば、解熱剤を使い、着せすぎに注意して、水分を十分に取らせて下さい。

 離乳食は、食べればいつもどおりにあげて下さい。熱があるからといって、離乳食をやめてミルクだけにすると、下痢になったり、下痢が長引いたりします。

 お風呂は、やはり熱のある間はやめて、発疹が出た翌日ころからにして下さい。しかし、1日1回は裸にしてからだを拭いて下さい。

 BCG、ポリオ、三種混合と予防接種の多い時期に罹る病気で、予防接種をどうするか悩むことがよくあります。特発疹は、はしかや水痘と比べて軽い病気のようですが、これらの病気と同じく予防接種は1ヶ月は開けて下さい。

 特発疹の原因ウイルスは現在のところ2つはあるとされています。ですから、はしか等と違い、特発疹は2回罹ることがあります。

 初めての赤ちゃんが生後6ヶ月で高い熱を出して心配で心細いお母さんに“特発疹ですから大丈夫ですよ。”とは言えず“まず、特発疹だと思います。”とまでしか言えないのが特発性発疹症です。

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