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NO.10

嘔吐下痢症

平成8年 12月

 運動会、いもほり、リンゴ狩りと秋の行事も終わり、後はサンタさんが来るのと、雪が降るのを待つだけとなりました。この秋の、空の神様はご機嫌がよかったようで、土曜日・日曜日・祭日には秋晴れをプレゼントしてくれました。この冬には、昨年ほどの大雪はいりませんが、暖かい太陽の下で,雪遊びができるようにお願いしましょう。

 今年は”大腸菌O−157”が日本中をとびはねましたが、これからは、子供の下痢の老舗、代表選手である”嘔吐下痢症”の季節となります。毎年、12月から3月近くまで流行します。白色の下痢をしますので”仮性小児コレラ・白痢・白色便性下痢症”とか、冬に多いので”冬季乳幼児下痢症”と言われてきました。原因の80%近くは”ロタウイルス”というウイルスです。

 突然、嘔吐が始まります。高熱もいっしょに出ることがあります。嘔吐は半日から1日でおさまります。下痢は嘔吐より少し遅れて始まり、白色から黄白色の便となり、コレラの様に”米のとぎ汁”様の下痢が1日に10回以上も出ることもありますが、1週間ぐらいでよくなります。

 発熱し、嘔吐と下痢が激しいときには、脱水に注意して水分を十分に取らないといけません。スポーツドリンク(ポカリスェットなど)は、その名のとおりスポーツなどをして汗をかいたときの水分の補給にはいいのですが、下痢の時の水分としては良くありません。アクアライト(和光堂)、アクアサーナ(森永)などが乳幼児の下痢のために発売されています。そのほか、うどん汁・みそ汁スープ・すまし汁など塩分の入ったものを飲ませて下さい。

 母乳を飲んでいるときには、母乳を続けてください。ミルクの場合には”ラクトレスミルク”などの乳糖を含んでないミルクに変えて下さい。その他、牛乳やヨーグルトなどの乳製品は中止して下さい。

 食事は嘔吐が激しいときには中止し、1日〜2日して食欲が出てきたら食べさせて下さい。下痢をしてるからといって、絶食をしてミルクだけだと、かえって下痢が長引きます。米飯、うどんがいいですから、食欲が出てきたらあげて下さい。

 嘔吐が2日目も続いたり、元気なく顔色が悪くなったり、おしっこが少ないときには、点滴や入院をしないといけなくなります。

(オリンピックの年にはやる”マイコプラズマ肺炎”が流行しています。強い咳が続くときには、要注意です。

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